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10話 ページ12

その日のうちに、意外にも彼女の方から連絡が来た。最初はメッセージで、電話しても大丈夫かという確認から始まり、大丈夫だと送るとすぐに電話がかかってきた。

剣介「もしもし、まさか電話してくれるなんてね。どうかしたの?」

『…いえ、あの…。今日のこと謝りたくて。なんか色々、ご迷惑をお掛けしました』

きっと電話の向こう側でぺこぺこしてるんだろうなぁ…そんなことを考えながら「気にしないで」と言うと小さく「ありがとう」と返ってきた。

『剣介さんに怪我させちゃって…その、ろくに手当ても出来てなくて…』

剣介「あー、気にすんなよ。かすり傷だし、コウが消毒してくれたし、もう綺麗だよ?」

『そうなの?よかった…』

剣介「そういうお前は?ちゃんと手当てした?膝」

『あ…はい。志季さんに怒られました』

剣介「そんだけ大事にされてんだよ。だから…もう危ない事しないって、約束して?約束してくれたら、俺はとっても満足なんだけどなぁ」

ちょっとわざとらしく言ってみると、彼女は『う…』と言葉を詰まらせてしまった。これ悩むことかな?

剣介「…約束出来ないなら、また俺と会お?次は志季さんも衛もいないとこ希望で」

『…2人は、どうして止めるんです?』

剣介「そりゃあお前が好きだからだよ」

『…は?』

無自覚か。俺も好きだけど…めっちゃアタックしないと気付かなそうだなぁ…

剣介「まぁいいや、次の休みとか分かったら教えてよ!あとは…事務所ですれ違ったりならするのかな?」

『どうでしょうね、私は基本部屋に篭もってパソコンと向き合ったり…でもたまに、事務所内をぐるぐるしたりはします』

剣介「ぐるぐる…じゃあ、そのうち会えるかも?ふふ、また会えるの楽しみにしてるね、A」

『は、はい…ありがとうございます…?…では、私はこれで、明日までにまとめる資料があるんです』

剣介「はーい、お疲れ。またね」

電話を切ってから、しばらくニヤニヤしていた気がする。んで、振り向いたらリョウがいた。

剣介「……え、怖っ」

涼太「下心あるでしょ、ケン」

剣介「いや…なぜ。なぜ俺の部屋にいる」

涼太「ケンはAちゃんに手を出そうとしている…違う?Aちゃん好きなんだ?」

剣介「好っ…き、だよ。好きだよ、一目惚れした」

涼太「へぇ…頑張って?」

……意外と素直に、応援された?

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雪藤(・×・)(プロフ) - ペンギンさん» ありがとうございます!なぜか自然と志季さんがお父さんポジションを獲得してしまうんですよね…(苦笑)コメントとっても嬉しいです、頑張ります! (2019年9月1日 6時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - すごく面白いです(*´ω`*)他のシリーズでも志季さんがお父さんしてるのが好きなのでこれからの更新を楽しみにしてます! (2019年8月31日 20時) (レス) id: f669d38244 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年8月31日 8時

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