犬が42匹 ページ42
『…』
剣介｢…？｣
俺とソファに挟まれたAは、急に大人しくなって俺を見上げてきた。
『……ケンくん、私…恩返しできてない』
剣介｢…！そんなことない、と思う｣
『ずっと考えてたの。ケンくんは私を助けてくれて、いっぱい愛してくれて、大好きだって言ってくれた。……でも、私は？私は、何ができた？』
剣介｢A…俺は、お前が生きてるってわかって嬉しかった。笑顔で行ってらっしゃいって…おかえりって言ってもらえてすごく嬉しかったし、癒されてるよ｣
『それだけじゃ…ダメだよ』
剣介｢…怪我、しちゃったけど。正直すごく驚いて、ショックも受けたけど……でも、Aが大切な人を守るために身体を張ったってリョウから聞いて、誇らしかった。かっこいいって思った｣
『…！で、も…怪我して、ケンくんも傷付いた…』
剣介｢大人しくして、はやく治してくれればいいよ。だからしばらく…治すことに専念してくれる？｣
『ケンくん…』
剣介｢できる？｣
『うんっ、できる、やる！ケンくんの為に頑張るね？』
剣介｢おう！…それでこそ、俺のAだな｣
『えへへっ』
可愛らしい笑みを見せてくれたAを撫でて、身体を起こしてソファに座り直す。その後は、大人しくライブの映像を見て時間を過ごした。
そしてお昼になって、また新たな問題が発生。
剣介｢お昼だ。何かあるかな｣
『私、作る？』
剣介｢んー…お前の手料理はもちろん食べたいけど…今日はダメだよ｣
『むう…』
剣介｢…あ、冷蔵庫になんかある｣
Aをソファに残して冷蔵庫に向かうと、ラップしてある何かと手紙を発見。コウがお昼ご飯を作っておいてくれたみたいだ
剣介｢A、コウがサンドイッチ作ってくれた！｣
『…？』
剣介｢Aが無理しないように、コウがお昼作ってくれたんだよ？よかったな｣
『う、うん。…。』
剣介｢？｣
『…ケンくんだけじゃなくて、コウくん達にも、いっぱいしてもらってるな…』
剣介｢…A｣
『ねぇ、教えて？私は…どうやって、もらったものを返していけばいいの？』
剣介｢…｣
『…あ…。ごめん、困らせちゃった…』
剣介｢いや…確かに。恩返しをしたいけど、どうしたら返せるかってわからないよな｣
『…うん』
剣介｢だからこれは俺個人の意見。…笑顔でいて。コウ達が帰った時、笑顔で迎えてあげてほしい｣
お前の笑顔は、見てると落ち着くから。
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雪藤（・×・）(プロフ) - 紗由さん» こんばんは、ありがとうございます！サブマネシリーズと掛け持ちで頑張ります！ (2021年4月11日 20時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - こんばんは。新作うれしいです！がんばってください！更新楽しみにしています！ (2021年4月11日 20時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2021年4月11日 20時
