犬が5匹 ページ5
衛藤side
彼女…Aの朝は、ものすごく早かった。
『あ、こうくん、おはよう！』
昂輝｢おはよう。…早いな｣
『うん、いっぱい寝たから。…で、えーっと…』
昂輝｢？｣
『…これの使い方、教えて？』
どうやら朝食を用意してくれようとしたらしい。だけど、見慣れないものなのかな。火がつかなくて困っているようだ
昂輝｢これは火じゃなくて、電力で発熱する。だから、ここに火が見えなくても使えてるんだ｣
『え、そうなんだ…』
昂輝｢Aがいた所はこれじゃなかったんだな｣
『うん…ごめんなさい』
昂輝｢謝るな、これから一緒に慣れていこうな？｣
『…！ありがとうっ』
可愛らしい笑顔でお礼を言うAの頭を撫でると、彼女は嬉しそうな顔をする。妹が出来たみたいで嬉しくて一緒に笑うと、少し離れたところから元気な声が聞こえてきた
剣介｢Aー！Aどこー……っと、いた！｣
『…！ご主人様っ』
剣介｢ご主人様って…ケンでいいよ？それよりA、お散歩しない？首輪とお散歩用の紐を見つけたんだ！｣
『したい！です、けど…』
剣介｢？｣
ちら、と俺を見上げたAは、作りかけの料理と俺を交互に見て、それからケンの方を見た。…行きたいなら、行きたいってしっぽを振ってケンの方に行けばいいのにな
昂輝｢行っておいで。ここは俺がやっておく｣
『いいの？』
昂輝｢遠慮するな。ちゃんとお散歩しないと｣
『…！うん、行ってきます』
昂輝｢行ってらっしゃい。ケンも気をつけてな｣
剣介｢はーいっ｣
犬の姿になったAにオレンジ色の首輪と紐を着けると、ケンは愛おしそうにその子を撫でる。そして、元気よくお散歩に出かけて行った。
そして元気よく帰ってきた2人…いや、1人と1匹は、いつの間にか名前が変わっていた。
《わんっ、わん！》
剣介｢楽しかった？よかったな、蜜柑！｣
《わんっ！》
涼太｢…みかん？｣
衛｢あれ…Aちゃんはどこに…？｣
剣介｢人の姿の時はA、犬は蜜柑！見て見て、このオレンジ色の首輪がすごくよく似合うだろ！？｣
涼太｢まぁ、黒いからね…蜜柑｣
昂輝｢なんでも合うだろうな｣
剣介｢ほら、さっき見つけて買ってきたみかんの柄のスカーフもよく合う！うちの子かわいい！｣
衛｢とても楽しいお散歩だったんだね｣
《わん！》
衛｢よかったねぇAちゃ……いや、蜜柑！｣
こうして、俺たちの家族は増えたのである。
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雪藤（・×・）(プロフ) - 紗由さん» こんばんは、ありがとうございます！サブマネシリーズと掛け持ちで頑張ります！ (2021年4月11日 20時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - こんばんは。新作うれしいです！がんばってください！更新楽しみにしています！ (2021年4月11日 20時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2021年4月11日 20時
