犬が35匹 ページ35
『ん…っ、んー…』
あぁ、どうしよう。分からない、息が苦しいのに、身体がおかしいのに…嬉しい。会いたかったから？会いたかったから…ふわふわして、心地いいのかな
『は、ぁ……け、ん…くんっ』
剣介｢っ…ごめん、やり過ぎた。…おかえり｣
『うん、ただいま』
顔を真っ赤にしながら、笑顔でおかえりと言ってくれるケンくんが愛おしいと思った。…愛おしい、愛おしいって…なんだろう
『会いたかった、ケンくん』
剣介｢俺も。…だから、帰ってきてくれてありがと｣
『……うん』
…人は不思議だ。自分の意思で、家族と離れて…好きな人と一緒に暮らすなんて。…いや、私も…生みの親と離れて、白楽さんと暮らしてきたのか
『…あのね、ケンくん』
剣介｢？｣
『渡す物と、お願い事があります』
共有ルームに行くと、私の姿を見たコウくん達が立ち上がって駆け寄ってきた。
涼太｢おかえり！白楽さんと…どうだった？｣
昂輝｢おかえり。Aは白楽さんの所の子だったんだな…気付かなかったよ｣
衛｢おかえりなさい。…楽しかった？｣
『ただいま。……楽しかったよ』
昂輝｢？A、その風呂敷は…？｣
『ふふ、皆にプレゼントがあるの』
机の上で風呂敷を開けると、中から5つの可愛い袋が出てくる。その内の1つをよけて、残りの4つを4人に手渡した。
『何にしようか悩んで…みんなが使うもので、何個あっても困らない物を選びまし、た』
衛｢わぁ、可愛い｣
涼太｢ハンカチ…Aが自分で買ったの？｣
『うん、しょにんきゅー』
昂輝｢ふふ、わかってないのか？｣
『わかるよ！志季さんが教えてくれた！』
剣介｢ありがと、大事にするよ｣
衛｢毎日使わせていただきます！｣
涼太｢ちゃんと洗濯して｣
昂輝｢まさか俺たちにもくれるとはな。…本当に、白楽さんに似て優しい人だ｣
涼太｢白楽さんにも買ったの？｣
『うん、白楽さんのはこっち』
剣介｢明日、一緒に届けに行くんだよ｣
衛｢そっかぁ…その白楽さん？もびっくりだろうね｣
剣介｢おとぎ話レベルでびっくりだろうな｣
涼太｢鶴の恩返しよりもすごいかも？｣
昂輝｢確かに…自分が育ててきた飼い犬が、いつの間にか就職して初任給をもらって…プレゼントをくれるなんてな｣
Growth｢……｣
『…？』
剣介｢…それってさ、すごくね？｣
涼太｢確かに｣
『…？？』
なんか、褒められてる？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪藤（・×・）(プロフ) - 紗由さん» こんばんは、ありがとうございます！サブマネシリーズと掛け持ちで頑張ります！ (2021年4月11日 20時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - こんばんは。新作うれしいです！がんばってください！更新楽しみにしています！ (2021年4月11日 20時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪藤 | 作成日時：2021年4月11日 20時
