犬が32匹 ページ32
白楽さ…じゃなくてお父さまは、犬の姿の私といっぱい遊んでくれて、人の姿になった私とたくさんお話してくれた。今までのことを聞かれたり、ケンくんの話が出てきたりもしたけれど…お父さまは、私をケンくんの所に戻したくない、みたい
『…そうだ、あの…』
白楽｢？｣
『黒姫さん、は…？』
白楽｢あぁ…彼女か。夏姫とは会う回数は減ったけど…でも仲良くしてるよ｣
なつき…たしか、黒姫さんの本名だよね。黒河夏姫、そのうちの2文字をとってその名前にしたとかなんとか…
『黒姫さんのこと、怒った？』
白楽｢そりゃあ怒ったよ。でも…彼女に寂しい思いをさせたのは俺だし。俺のせいで、大事な2人を傷付けてしまった｣
『…』
白楽｢ごめん｣
申し訳なさそうに頭を下げた白楽さんは、私の手をぎゅっと握って何度も謝ってきた
『…謝らないで』
白楽｢…え｣
『私、白楽さんのこと恨んでないし、怒ってない。…勝手に居なくなっちゃった私が悪いんです。ごめんなさい』
白楽｢くろまめ…｣
『ごめんなさい、私…ケンくんに恩返ししたい一心で、白楽さんが心配してくれてるのに、1度も帰らなくて…』
白楽｢…お前らしいな｣
『…私、らしい？』
白楽｢昔から単純というか…ひとつの事に集中すると周りが見えなくて、ふたつの事を同時に考えるとか出来なかった｣
『…』
つまり、バカだって言いたいのかな…。
白楽｢そこがまた可愛いんだよな。好奇心旺盛で、すぐどっか飛び出して行っちゃって…ふふ、そんなお前がまさかツキプロの社員になるとはね｣
『それは…えっと…』
白楽｢彼らが移籍しなかったら、俺たちは同じ事務所で働いていたかもね｣
ふふっと笑うお父さまを見て返事に困っていると、お父さまのポケットから音が聞こえてびくっとなる。そんな私を見て小さく吹き出したお父さまは、私の頭を撫でながらポケットから取り出したものを耳に当てた
白楽｢はい、水篠です｣
…みずしの？
白楽｢…あ、八重樫くんか。白楽だよ、水篠は俺の名字ね｣
『ケンくん…？』
白楽｢そ、ケンくん。お前の声を聞きたくて電話したんだって｣
『…！！』
スマホ、だったかな。それを耳に当てると、ケンくんの声が聞こえてくる。もうそれだけで安心して、嬉しくて…
『…っ、ふえぇ…』
剣介『え、A？泣いてんの！？大丈夫！？』
白楽｢…｣
彼に会いたくて、涙が溢れた。
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雪藤（・×・）(プロフ) - 紗由さん» こんばんは、ありがとうございます！サブマネシリーズと掛け持ちで頑張ります！ (2021年4月11日 20時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - こんばんは。新作うれしいです！がんばってください！更新楽しみにしています！ (2021年4月11日 20時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2021年4月11日 20時
