犬が31匹 ページ31
衛藤side
ケンとAがデートに行くと元気よく出ていった日の夜。帰ってきたのは、ケン1人だった。
昂輝｢おかえり。…Aは、どうした？｣
剣介｢ただいま、コウ。Aは…白楽さんのところ。明日帰ってくる｣
昂輝｢白楽さん…？まさか、Aの飼い主は白楽さんだったのか？｣
剣介｢うん…｣
白楽さんは、前の事務所でお世話になった人だ。なぜかよく俺に、世界一可愛い家族だと言って黒い柴犬の写真を見せてくれていた
昂輝｢…寂しいか？ケン｣
剣介｢もちろん。…でも、今までずっと離ればなれになってた白楽さんは、もっと寂しかったと思う｣
昂輝｢そう、だな｣
いつも一緒にいた大事な家族が突然居なくなったら。それは、寂しいという言葉だけでは言い表せないだろう。…きっと、Aも同じ思いだったはずだ
昂輝｢それで、白楽さんの所に戻したのか｣
剣介｢うん。…今は、そうするしかないだろ？｣
昂輝｢そうだな｣
いくら離れたくなくとも、家族を取り上げるようなことはできない。でもやっぱり寂しそうなケンをぎゅっと抱きしめると、ケンもぎゅっと抱きしめ返してくれた
剣介｢今日は会えないんだって思うだけで、こんなに寂しいんだな｣
昂輝｢…｣
剣介｢……どうしたらいいんだろ｣
俺の首に顔を埋めるケンは、少しだけ泣きそうな声でAに会いたいと呟いている。ケンにかける言葉を見つけられなかった俺は、そっとケンの髪を撫でた
それからしばらくして、ケンは元気を取り戻した…ように見えるが、時々何かを探すように辺りを見渡し、はっとしてしゅんとしているようだった。
剣介｢…やばい俺、Aを探しちゃう…｣
衛｢ほとんどずっと一緒にいたもんね。…Aちゃんがいないと、俺もちょっと寂しいな｣
涼太｢明日には帰るんだから、泊まり込みで仕事だと思えばいいだろ｣
剣介｢うっ…それも耐えられないかも。Aは日帰りのお仕事限定って言っとこ｣
昂輝｢…そんなに心配なら、連絡したらどうだ？｣
剣介｢え？｣
昂輝｢白楽さんに、電話すればいい｣
剣介｢…！｣
Aside
ここは私が生まれ育った家。懐かしい場所。…すごく落ち着くし、お父さまに撫でられるの嬉しい。ご飯もすごく美味しくて、やっと帰れたんだって泣いたりもしたけれど……ケンくんのことが、頭から離れない
『…ケンくん…』
今日はもう会えない。…それは、寂しい…かも
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雪藤（・×・）(プロフ) - 紗由さん» こんばんは、ありがとうございます！サブマネシリーズと掛け持ちで頑張ります！ (2021年4月11日 20時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
紗由(プロフ) - こんばんは。新作うれしいです！がんばってください！更新楽しみにしています！ (2021年4月11日 20時) (レス) id: 0ea605d8d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2021年4月11日 20時
