11-3 ページ7
振袖の宣伝の撮影の日。剣介は予定が空いていたらしく、なぜか現場までついてきた。
『なんでついてきたの？』
剣介｢娘の振袖姿を見たいのは当たり前じゃん？｣
『普通にお父さん…』
剣介｢娘のウエディングドレスも見たいなぁ｣
『…。』
私のお父さん…剣介に取り憑いてるのかな。そう思ってしまうくらい、剣介は私の父に似ている。
剣介｢んじゃ、がんばれ〜｣
にこにこと手を振る剣介は、周りの人からどう見えるのか。少なくとも父には見えないよね。
『…。』
何種類かの振袖を着て撮影をしてるんだけど…剣介のテンションが恥ずかしい。
剣介｢可愛い…A、お前こんなに綺麗になって…ぐすっ｣
『もうやめて、お願い帰って』
剣介｢泣けてきた｣
『お願いだからやめてください』
スタッフ｢お2人は付き合って…｣
剣介｢ないです。俺の娘です｣
スタッフ｢え｣
『すみません、昨日お酒飲んだみたいで』
そんな感じで撮影は進み、予定通り終了できた。そして着替えようと更衣室に行ったのだけれど…なぜか私は別の振袖に着替えさせられていた。
『…？』
スタッフ｢振袖の返却については八重樫さんにお話してあるので、楽しんできてくださいね｣
『…え？』
振袖姿のまま更衣室から出され、戸惑いながら剣介の元に戻ると、彼は笑顔で迎えてくれた。
剣介｢んじゃ行くか、お前の成人式｣
『は？』
剣介｢さ、行くぞー｣
『え、ちょっと待って？何言ってるの…？』
剣介に連れ出され、そのままスタジオの地下駐車場へと向かう。駐車場には大きめの車が止まっていて、運転席には黒月さんがいた。
黒月｢おぉ、綺麗じゃないか。さ、後ろ乗れ｣
剣介｢お邪魔しまーす！｣
隼｢ふふ、素敵だよ。A｣
『隼さん…』
黒月｢隼を連れてくついでだ。方向が同じだからな｣
隼｢そういうこと。…ふむ、やっぱり白がよく似合うね。汚さないように気をつけてね｣
『そうなんですよね…すごく緊張』
剣介｢俺が選んだんですよ！可愛いでしょ｣
隼｢うんうん、とっても可愛いね｣
『…あ、ありがとうございます…』
隼｢衛にも見せてあげるのかい？｣
『まもっ…え、っと…』
剣介｢当たり前じゃないですか！自慢の娘を自慢しないと｣
『もう、剣介は黙ってて！』
剣介｢あははっ｣
黒月｢楽しそうだなぁ｣
黒月さんが運転する車は静かに進み、私と剣介はとある神社の前で降ろされた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪藤（・×・）(プロフ) - snowさん» 最後まで読んでくださりありがとうございました！！確かに始さんがライバルだったら大変そうですね…！そしてどっちを応援したらよいのか…(笑)温かい感想ありがとうございます！これからも頑張りますね！！ (2019年12月17日 19時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - ヒロインちゃん、強くなったと思います。衛さんが何かやれば、きっと、涼太君からシバかれるだけだと思ってます。幸せな話を見れて、良かったです。これからも頑張って下さい！ (2019年12月17日 17時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 完結おめでとうございます♪結構、好きだったので、寂しいです！ライバルが始さんとかだったら、衛さん、大変だったろうなと思います。ケン君も勿論、素敵だと思うんですが、でも、始さんや隼さんとか手強そうにみえます。 (2019年12月17日 17時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
雪藤（・×・）(プロフ) - 唯花さん» コメントありがとうございます！裏話…いい感じに話がまとまれば…書きたいですが…。もし出せそうなら番外編を作りますので、気長に待って頂けるとありがたいです (2019年12月16日 20時) (レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
唯花 - うらばなしができればしりたいです！ (2019年12月16日 18時) (レス) id: 1cf2f285a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪藤 | 作成日時：2019年12月4日 23時
