始様誕生祭 ページ47
雪宮side
『始!誕生日おめでとう!!』
始「…1日遅刻だ」
『え?……今日8日だよね?』
始「9日だが」
『…??』
始「…」
静かに私を見下ろす始としばらく無表情で見つめ合い、そっと始の携帯の画面を開く。始の言う通り日付けは1月9日だった。
『あれ?…うちの日めくりカレンダーは8日だぞ』
始「それはめくり忘れだろう」
『でも、今朝1枚めくったよ?』
始「その前から日付けがずれてたんだろ。というか人のスマホで日付けの確認をするな」
『むむ…今年こそはぴったりに祝おうと思ったのに』
始「今年が過去最高の記録だ。誤差1日だからな」
『最低記録は?』
始「半年」
『半年って、何があったんだろうな』
始「さぁな。こっちが聞きたい」
『まぁとりあえず、誕生日プレゼントあげる』
始「サンキュ」
プレゼントの袋を始に渡すと、始は柔らかい笑顔でそれを受け取り、私の頭を撫でた。
『…最近、私が妹みたくなってないか?』
始「そうか?」
『なってる気がする。私お姉ちゃんだよ』
始「お姉ちゃん、な…」
呟くようにそう言って私をじっと見つめる始は、少ししてから不思議そうに首を傾げた。
始「姉という感覚があまりないな」
『…。』
始「姉か…そういえばそうなんだよな…」
『……。』
始「…随分小さい姉だ、な…っと」
言いたい放題しやがって、と脇腹に蹴りを入れようとしたら片手で阻止された。でも視線は私の目から離れていない…生意気な
『…生意気』
始「へぇ…?」
意地悪な笑みを浮かべる始は、じわじわと私の方によってきて、私を壁と自分の間に閉じ込めた。
始「忘れたか?俺は、ずっとあんたを…ひとりの女として見てるいんだが」
『…っ』
始「例え、俺を弟としてしか見ていなくても…それでも、俺はあんたを狙ってる。そのことを忘れるな」
『……こ、わいんだけど…』
始「…ふ。なんてな?そんな泣きそうな顔をするな」
『…泣きそう、命の危機を感じた』
始「おい、ほんとに泣くな。お前が泣いたら…」
昂輝「始さん?」
始「昂輝が来る…から。…ほんとに来た」
『ふぇぇ、さらに怖い…なんで来んの』
昂輝「泣かせたんですか、始さん」
始「いや、お前も共犯だ」
昂輝「…?」
この後、(じゃんけんで負けた私の奢りで)3人でカフェに行き、プチ始誕生祭〜後夜祭〜をしました。
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪藤 | 作成日時:2019年12月4日 15時