睦月家の新年会編3話 ページ46
『ここに来て新たなせって…じゃなかった、新たな事実が判明してしまったな』
始「設定と言うな」
『こら。最後の1文字言ってないぞ』
隼から簡単に話を聞いたのだが、私の父、雪宮舞白…彼は隼のちょっと遠い親戚らしい。
『ていうか、なんで知ってるの?』
隼「なんでって…霜月家の集まりに雪宮という名字の人が挨拶に来ていたからね。聞いてみたんだ」
『じゃあその人は、私の割と近い親戚?』
隼「なのかな?」
『…なのかなぁ?』
隼と2人で首を傾げていると、席を外していた始が帰ってきた。
隼「おかえりなさい、始。どうだった?」
始「…紫月さん、その舞白さんって人と駆け落ちしたらしい」
『……は?』
始「紫月さんは俺の母のいとこで、縁談が嫌すぎて偶然出会った舞白さんを人質にとって、そのまま…」
『待て待て、人質とは?…っていうかいとこ!?割と近くない!?』
始「そして彼女は舞白さんの家に立てこもり、何があったのかは知らないが気付いたら結婚。そして一人娘のAが生まれたわけだ」
『…やりたい放題だな』
隼「…でも、雪宮舞白は…」
『……私が物心つく前に、もう亡くなった。母も、私が幼い時に亡くなったよ』
そんな好き放題して、私をおいていくなんて…
『好き勝手すぎるだろ…』
隼「…」
始「…」
…でも、みやちゃん曰く、2人はとても仲が良くて…2人とも、私のことをすごい可愛がってくれていたらしい。
『……はぁ、もっと早く知ってもよかったかもな』
隼「いいんじゃないかな?今で」
『そうかな』
隼「今の君だから、この真実にたどり着けた。…周りの人は、君が知ることを望まなかったから、ずっと黙っていたんだよ」
『……そう、なんだね』
始「…成長の証、だな」
ぽん、と始の大きな手が私の頭を覆う。その大きくて優しい手は私をそっと撫でてくれた。
始「あけましておめでとう」
『…………今かよ』
始「さて、帰るか」
『いやいや、どんだけ帰りたいんだよ』
始「明日仕事なんだ、頼む帰って寝かせてくれ」
『だめだ!もう少し付き合え…!』
隼「ふふ、僕も混ぜて〜?始、Aのおかげで僕も君の親戚だね」
始「2人してくっついてくんな、離れろ…!」
新年早々色々あるけれど、今年も楽しく過ごせたらな…と思いつつ、始と隼とじゃれあう(?)私なのでした。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年12月4日 15時