睦月家の新年会編1話 ページ44
雪宮side
今年も来てしまった…睦月家の、親戚の集まり…!
始「顔出したから、先に帰る」
『いやいやいや、私を置いていかないで?』
始「…そんな可愛い顔してもダメだ。先に帰る」
可愛い顔なんてしてないし。せっかくここまで始を連れてきたのに…顔を出したっていうか敷地に1歩足を踏み入れただけというか…!とにかく、私1人で行くのは嫌だ!
『始!頼む一緒に行こう!!』
始「何をそんなに怯えてるんだ」
『お爺様に決まってんだろ!』
去年、私に来た縁談を全力でぶち壊したからな。…いや、縁談はほぼ毎回ぶち壊してるんだけど、前回は…
『……昂輝も共犯…』
始「…。」
『あぁ、コウのことを聞かれるに違いない…!跡継ぎとか色々な面で、私と昂輝が結ばれることに誰も文句言わないだろ!コウがタレントであることが唯一の救い…!』
始「…なるほど。共犯から未来の旦那様候補になったわけか」
『知らぬ間に昂輝のことが知れ渡ってるのよ!あー、もー…昂輝がキッパリことわ』
始「らないだろ」
『だよねぇ…その話をされるのが怖いのだよ』
始「でもお前、女の人がいいんだろ?」
『……そうだね』
始「何の間だ」
『いや……個人的に、コウ…悪くないなって』
始「…」
『…』
始「……帰る」
『あ、待って!お願いします!お姉ちゃんを見捨てないで始くん!』
始「うるさい、離せ」
嫌だ、離さん!と始の腰に抱きついていると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
雪「あ、始さん!お姉様……って、えっと…」
『「あっ」』
雪「……お、お邪魔しました」
『雪!雪ー!あけましておめでとう!』
雪「はいっ、おめでとうございます。…お姉様は一体何を…」
『いや、その…これはだな、始が帰ろうとしたから』
雪「なるほど…では、始さんも参りましょう」
始「……(嫌そうな顔)」
雪「ほら、行きましょう!」
『ナイス雪!行くぞ始!』
始「はぁ……」
2人で始の背中を押して、一緒に屋敷の中に入る。そして中に入ると、さっそく私が捕まった。
始父「A!新年早々また縁談が来たんだけれど…」
『お断りします』
始父「それが、その…彼なんだけど」
『……お、お断りします』
始「揺らぐな」
親戚1「Aちゃんは彼のマネージャーなんだよね?」
『サブですけどね』
親戚2「綺麗な子だよね、男の子だけど許容範囲では」
『お断りします!』
新年早々、ほんとに昂輝との縁談が来た。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年12月4日 15時