あけおめGrowth編1話 ページ42
八重樫side
『というわけで!あけましておめでとうございます!!』
一同「おめでとうございます!」
気付いたら、年が明けていた。A姉と年越しのジャンプしてみたかったなぁと思いつつ、相変わらずグダグダなこの空気感が心地よかった。
涼太「年明けそばになったね」
剣介「もう少しで完食」
昂輝「おせち食べますか?」
『朝にしようよ』
衛「まさかの年越しそばを食べながら年越しをしちゃったね」
望月「Aちゃんのお話はぴったり終わりましたね」
剣介「頭を下げた瞬間年明けたからな」
昂輝「さすがです」
みや「お姉ちゃんすごい!」
なんだかんだ一緒に年越しをした座敷童子のみやちゃんに続き、皆で拍手をする。しばらくわいわい話していると、リョウが口を開いた。
涼太「姉さん、ひとつ聞きたいんだけど」
『ん?』
涼太「両親のこと…1歩踏み出せたって、なんのこと?……って、聞いていいか悩んだけど…やっぱり気になる」
ちら、とみやちゃんを視界にいれ、リョウはまっすぐとA姉を見る。するとA姉は小さく笑って1枚の写真を出した。
『これ、私の両親』
涼太「Aの…」
衛「わ…綺麗な2人組だねぇ!真ん中の赤ちゃんはAちゃんか、可愛い」
昂輝「Aさんは、紫月さんに似ていますよね」
『…コウ、私のお母さんと知り合い??』
昂輝「いえ、俺の母が紫月さんのファンでして」
『わお』
涼太「実は紫月さん、俺の母さんの友達なんだ」
『ちょっと、なにその繋がり』
色々と初めて知ったらしいA姉は、驚いた顔で写真とリョウ、コウを見つめる。ほんとに彼女は、両親のことを知らなかったんだな
涼太「それで、その1歩と…みやちゃんと、色々説明してほしいんだけど」
『あ、うん。…まず、みやちゃんは昔からここに出入りしていた、らしい』
衛「え?でもみやちゃん…」
みや「ばびゅーん!と行ってさっさー!と掃除して、ばびゅーん!と元の場所に戻るの!」
衛「この座敷童子ちゃんから無限の可能性を感じる…!」
剣介「ふつうの座敷童子とは違うんだろうな」
みや「舞白ちゃん…お姉ちゃんのお父さんに頼まれたから、お掃除だけしに来てるの!」
昂輝「じゃあ…なぜ今までAさんは知らなかったんだ?」
みや「それは…」
『それは、私が近寄らなかったから。…記憶から消えていく両親のことを、思い出すのが怖かった』
そう言って、彼女はそっと目を閉じた。
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪藤 | 作成日時:2019年12月4日 15時