年末Growth編4話 ページ41
桜庭side
Aとケン、衛が帰ってきたのは、ちょうどお蕎麦の用意ができた頃だった。
『おはよ…』
剣介「なんかすげーよく寝た」
衛「リョウくんリョウくん!7人目の謎とけた!」
みや「遊びに来たぞー!」
涼太「…」
何から突っ込もうかな。真顔でじっと衛を見ていると、慌てた衛が説明を始めた。
衛「な、なんか、みやちゃん、元々ここの座敷童子さんだったらしくて!えっと…Aちゃんのお父さんと仲良しで、えっと、なんかお掃除に来たらしいです!」
涼太「わからん」
昂輝「みやちゃん、久しぶりだな。お蕎麦食べるか?」
みや「食べるー!」
衛「説明しなくても受け入れてくれるのねコウくん」
『みやちゃん、お疲れさま。ありがとうな』
みや「うん!」
望月「なんとなくわかったような、わからないような」
涼太「受け入れるしかないですね」
剣介「後で説明するから!」
『もう9時だぞ。あっという間に今年終わっちゃうぞ』
昂輝「じゃあ、食べようか」
配膳を終えたコウが席につく。その後に皆で席についた。
昂輝「Aさん、お願いします」
『ん、今年もお疲れさま!いただきます!』
一同「いただきます!」
剣介「忘年会も兼ねて年越しそば」
衛「俺たちのことだから気付いたら年明けてるよ」
『そうだね、時計壊れてるしね』
望月「本当だ」
剣介「え、今何時?」
『9時…じゃないのか?』
望月「……11時40分でした」
衛「ほんとに気付いたら年越すやつ!!」
剣介「最後までグダグダだな。グダグダに乾杯」
みや「かんぱい!」
剣介「そんでもって、A姉の大きな成長にも乾杯」
『ん。…大袈裟』
剣介「いやいや、A姉が大きな一歩を踏み出す瞬間を見れたんだから」
昂輝「そんなにか?」
剣介「そんなにだ」
涼太「…じゃあ、そんな姉さんから一言」
『忘年会っぽくしてきたねぇ』
衛「やるんだ」
『やる。……今年は、涼太や剣介と再会できて、昂輝や衛とお仕事できて、皆人くんのお手伝いもできて、たくさん仕事押し付けられて…色々あったなと思う』
衛「後半が」
『でもそのおかげで、いっぱい成長できた。…おかげで、1歩踏み出せた。元カノも、両親のことも、ね?』
昂輝「…」
剣介「…」
『詳しくはまた今度ね。…でも、ありがとう!これからもよろしくお願いします!』
そう言って彼女が盛大に頭を下げた頃には、もう既に新しい年が始まっていた。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年12月4日 15時