[ツキプロ]サブマネという名の雑用係12 (ページ33)

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もしものお話②編1話ページ33

もしも、Growthのメンバーが執事だったら…

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剣介ver. 雪宮side

｢起きろー、朝だぞー｣

ぼんやりした意識の中、頬をぺちぺちと軽く叩かれたりふにふにと触られたりしている…気がする。

『んん…うざい』

ぺしっ、とその手を払って寝返りを打つと、盛大なため息が聞こえた。

｢あーっ、そんなことしていいんだな？…3秒以内に起きないと、お前が朝食担当な？3、2、い…｣

『起きたっ！！』

｢アウト。今日も朝ごはんはお前が作るんだからな｣

『ﾁｯ』

なんだよコノヤロウ…面倒くさいな、とゆっくり起き上がると、目の前の彼は私と目線を合わせてきた。

｢女の子がコノヤロウとか言わないの｣

『…言葉には出てない』

｢出てなくても顔に出てるって。あと舌打ちもよくない｣

『…わかりました』

｢ん、いい子｣

えらいね、と言いながら私の頭を撫でる彼は、もしかしなくとも私を歳下と思い込んでいる。ちゃんと年齢は明かしたはずなのに

｢あ、そうだ｣

『…？』

何かを思い出したような仕草を見せた後、彼は姿勢を正して私に向き直る。そして、綺麗な動作で頭を下げた。

｢おはようございます、お嬢様｣

『…おはよう。剣介』

にこにこと明るい笑みを浮かべる彼を撫でると、ぱあっとさらに可愛らしい笑顔を向けてくれる。これが毎朝の楽しみだ。

『朝ごはんね。作ってあげるから待ってて』

｢やったー！お前の手料理好きなんだぁ｣

『もう…お給料減らしてやるわ』

｢え…そんなぁ｣

しょぼん、とわかりやすく落ち込まれた…

『…私が作るたび地味にお給料減ってるの気付いてない？』

｢……そうだっけ｣

『…』

｢…｣

『…もうお給料いらないか』

｢待って！それは困るかも！！｣

料理中なのにも関わらず、剣介は私にぴったりくっ付いて｢お給料なしは嫌だ｣と必死に訴えてくる。可愛らしいなぁ

『んー、どうしようかなぁ』

｢うぅ…俺、頑張ってるのに…｣

酷い、と泣きそうな感じで私の肩に頭をぐりぐりと押し付けてくる。火を使ってるから離れてほしい

『危ないから、離れなさい』

｢……はぁい｣

大人しく退いた。…でも、火を止めたらまた抱きつかれた。

『こら』

｢Aがもらってくれるなら、お給料いらない｣

『…は？』

｢あ、でもお小遣いは欲しい！｣

そう言って、剣介はまた可愛らしい笑顔を向けた。