温かいもの探し編2話 ページ48
『はー…コンポタうまぁ』
収録後、リョウに奢ってもらったコンポタを飲んで一息つく。…隣に座るリョウは、ちょっと不機嫌だ
涼太｢…｣
『…仲良くしろとはもう言わない。でも、あんなふうに威嚇することないと思うよ』
涼太｢だめ…出来ないんだ。…Aが取られちゃいそうで、余計に、冷静になれなかった｣
『涼太…』
涼太｢怒るなら怒っていいよ。ガキだって｣
『…別に。私も未だに始とくだらないことで大喧嘩するし』
涼太｢兄弟喧嘩だろ、それ｣
『ふふ、ケンともしてるんだぜ？』
涼太｢ドヤ顔しないでよ…もう｣
呆れたように笑った涼太は｢ありがと｣と言ってコンポタを飲み干した。
涼太｢…あ、コーン残った｣
『下手くそ〜、私も3つ残った』
涼太｢ふふ、下手くそ｣
空になった缶は冷めていったけれど、心も身体も温かかった。
『はぁ…湯たんぽ欲しいね』
剣介｢一緒に寝よ、A姉｣
午後、Growth全員で合流してやってきた地方ロケ。その日は地方にお泊まりになったのだが…旅館、寒いな
望月｢部屋がここしかなくて｣
涼太｢望月さんは平気そうですよね…慣れですか？｣
望月｢まぁ、そんなところでしょうか…｣
和室の大部屋に布団を引いたはいいが…お布団冷たくて入れない…
『お風呂、もう1回入る…』
衛｢Aちゃん｣
『？』
衛｢さっき、お風呂で寝てたよね？また同じことするのかな？｣
あ…衛が怒ってる
『ごめん…でもなんで知ってるの？』
昂輝｢Aさん、自分がどうやって戻ってきたか覚えてますか？｣
『……。』
覚えてない…。気付いたらコウとリョウに髪を乾かしてもらっていたな…
剣介｢俺が女将さんに女湯にA姉以外の人がいるか確かめてほしいって頼んで、居なかったから俺が回収してきた｣
『女将さん止めなかったの？』
剣介｢A姉の弟ですって言ったら納得してた｣
昂輝｢受付の時も兄弟みたいにじゃれてたからな｣
『あれは寒さに耐えきれなくて』
剣介｢うんうん｣
望月｢2人、似てますもんね｣
『始に似てて剣介に似てるってどゆこと』
涼太｢それより…どうする？布団…｣
一同｢…｣
昂輝｢…暖をとろう｣
衛｢ん？｣
昂輝｢皆で、身を寄せればいい｣
剣介｢平和｣
コウの可愛い提案を受け入れ、私達は部屋の中央に寄ってぴったりとくっついた。
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年11月1日 19時
