いい肉の日。編3話 ページ45
『さて、剣介のお腹は触るまでもないからいいか』
剣介「A姉触ってくれないの?コウやリョウとあんなことしておきながら…」
『やめてその誤解を招く言い方』
昂輝、衛、涼太のお腹を調査して、剣介は面倒くさそうだから保留…にしてるんだが、剣介がうるさい。
剣介「むぅ…だって、お前に触られたいもん」
『…。』
剣介「無視すんなよー!」
『…。』
剣介を完全無視して歩き出すと、後ろからぐいっと引っ張られ抱きすくめられた。
『…?』
剣介「触ってくれないなら、俺が触るから」
『っ…!?』
ぎゅっと抱きしめて私の服に手を入れ、お腹をぺたぺた触り始める。くすぐったくて恥ずかしくて、とりあえず剣介をぶん投げた。
剣介「うわっ!?」
『…っは…はぁ…バカ剣介…』
涙「すごい」
駆「かっこいい」
ぱちぱちと拍手する音が聞こえて、ばっ、と振り返る。そこには涙と駆がいた。
駆「Aさん!」
涙「お腹、調査したい」
『…。』
駆「この通り、始さんの許可証も頂きました!」
涙「うんうん」
『始…裏切ったな』
剣介「駆達が触るなら、俺もいいよね?」
『あんたもう触っただろ』
剣介「まだ足りない!」
『訴えるぞ!』
涙「今だ、かかれー」
駆「失礼します!」
『ちょっ、くすぐったいから…!』
涙「我慢」
駆「思ったより筋肉ついてない…」
剣介なら容赦なくぶん殴れるけど、駆や涙だと大怪我させてしまいそうで抵抗できない。ぺたぺたお腹を触られるのをぎゅっと口を結んで耐えていると、剣介と目が合った。
剣介「…A姉、お腹弱い…?」
『…っ、けん…止めて』
剣介「おーい、駆?涙?もういい?」
駆「あ、うん!ご協力ありがとうございます!」
涙「ついでに剣介のお肉も」
駆「あ、安い肉だね」
剣介「雑だな。…ってA姉?無事か?」
涙「Aは高級なお肉」
『…?』
剣介の腕の中から『どういうこと?』と聞き返すと、駆がわかりやすく説明してくれた。柔らかいお肉はいいお肉なんだとか
駆「まぁでも女の人ですからね!…ん?女の人…」
涙「…僕達は今、セクハラというものをしたのだよ」
駆「あー…」
駆涙「ごめんなさい」
『…』
剣介「あははっ、A姉を何だと思ってんだ?」
私を抱きしめ頭を撫でながら笑う剣介を睨み付けると、彼は小さく笑い返した。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年11月1日 19時