いい肉の日。編1話 ページ43
雪宮side
11月29日、朝の4時。今年は正々堂々と測ってやろうと思います。
『…と、言いながら触りたいだけだけどね』
そう呟いてとある部屋の扉を開く。そして、ベッドの中に潜り込んだ。
『…』
彼が起きないように、そっと服に手をかける。服をめくろうとした瞬間、視界が真っ暗になった。
昂輝「…珍しい、夜這いですか?」
『あ…おはよう』
もぞもぞと布団の中で押し倒される形になった私は、まだ眠そうなコウの顔を見上げる。ちなみに両手首を掴まれているので服をめくれない。
昂輝「ふぁ…何時、ですか?」
『朝の4時ですね』
昂輝「…寝ましょう」
ぬいぐるみみたいに抱きしめられ、身動きが取れない。少しして、コウの寝息が聞こえてきた。
『…コウ〜、お腹触らせて』
昂輝「…」
『…わかったよ。寝ます』
諦めた私は、そのままコウの腕の中でぐっすり眠った。
目を覚ますと、コウが愛おしそうな目で私の見下ろしているのが見えた。
『…おはよ』
昂輝「おはようございます。…それで、俺のお腹触りに来たんですか?」
『…ん、そう』
身体を起こしてコウに向かい合う。すると彼は、上だけ服を脱いだ。
『…え』
昂輝「…寒いな。…触りたいならどうぞ?」
『な…お前、それでいいのか…?』
昂輝「いいですよ、Aさんになら。…ただその代わり、あなたも1枚脱いでくださいね」
『1枚脱いだら下着だけど』
昂輝「はい」
『…』
昂輝「俺だけ脱がせて、貴方はそのままなんですか?」
『…っ、わ、わかったわよ!』
着ていたトレーナーを脱いでキャミソール姿になると、コウが私を膝の上にひょいっと乗せた。
昂輝「思う存分、触ってください?」
『〜っ』
悔しい、コウに主導権を握られた。おそるおそるコウの腹筋を触ると、コウは私の手を掴んで思いっきり自分の身体を触らせた。
『…!』
昂輝「このくらいしないと、分からないのでは?」
『こ、コウ…っ!あんまりからかうなよ!』
昂輝「どうしてですか?触りたいんでしょう?」
『う…』
昂輝「遠慮なく触ってください。…変態なAさんも好きですから」
『うう…』
昂輝「その代わり、俺も触りますね」
『ううう…!』
昂輝なら素直に触らせてくれて、それで終わると思ってた。なのに…
『朝イチでハズレ引いた…』
昂輝「俺は嬉しいですよ?Aさんの夜這い」
『朝だし』
あぁ、この先が不安だ…
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年11月1日 19時