ゲームをしよう。編5話 ページ18
昂輝「…ぷっ」
『……へ?』
しばらく見つめた後いきなり吹き出した昂輝を見て、私も衛達もきょとんとしてコウを見た。
昂輝「くく…ふふふ」
『…え、なにが面白いのかわかんない』
剣介「変顔でもしたの?」
『してねぇよ』
涼太「ほら、Aって元々面白い顔を」
『してねぇだろ』
衛「あ、わかった。コウくん思い出し笑いだ」
『なにを思い出したの』
昂輝「……ふふ、すみません」
ツボに入ったらしく、昂輝はずっと肩を震わせて笑っている。
昂輝「その…なんか、面白くて」
『……??』
剣介「なにが?」
昂輝「Aさんが、一生懸命なのが」
衛「…あぁ、なるほど」
『なにがなるほど』
涼太「わかる」
『わかるんかい』
剣介「歳上だからって絶対退こうとしない姿勢な」
『…!』
昂輝「ゲームなのに絶対負けない、という強気な姿勢なのに、俺とキスすることに少し迷いがあるみたいで、すごい複雑な顔してましたよ」
涼太「やっぱり顔じゃん」
『〜っ、ごめん、コウ!』
昂輝「いいえ、構いませんよ」
優しく微笑んだコウはまた私の腰を抱いて、ぎゅっと抱きしめてくれた。
昂輝「本当は待ってくれてるのかな…なんて」
『…』
コウの声には期待と祈りが混ざっていて、私はなんて返したらいいかわからなくて。ただ、彼の肩に顔を埋めることしか出来なかった。
『……ごめん、ほんとに』
昂輝「なぜ謝るんですか?俺は、Aさんとこうして毎日会って、皆で馬鹿やってるのが好きなんですよ」
衛「馬鹿だって」
涼太「馬鹿、ねぇ」
剣介「まぁ否定しない」
涼太「実際馬鹿ばっかりやってるもんね」
剣介「でもそれも、A姉がいるからだろ」
衛「だね」
『…なるほど、馬鹿にしてんのか』
剣介「なんで俺を見るの!?」
昂輝「ふふ」
楽しそうに笑う昂輝を見て、なんかもういいやって思えて…気付いたら皆で笑っていた。
涼太「もう、残りは普通に食べよっか」
剣介「だな。…あ、なんかアレンジとかない?すげー大量にあるしさ」
昂輝「そうだな…考えてみるか」
衛「やったー!じゃあパーティだね!」
『結局パーティになる』
剣介「嬉しいくせに〜」
涼太「頬緩んでるよ」
『…!コウ、2人がいじめる!』
昂輝「ふふ、じゃあAさんは俺のお手伝い係になってください」
『うん!』
そして今日も、平和な1日を過ごすのであった。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年11月1日 19時