ゲームをしよう。編2話 ページ15
可愛い昂輝の頼みだけは断れない、とみんなで昂輝が買ってきたポッキーを囲むことに
衛「コウくんはそのゲーム知ってるの?」
昂輝「あぁ、空から聞いた」
涼太「…空か」
剣介「ご愁傷さま、空」
『それで…どうすんだ?私はコウの相手をしてあげればいいのか?』
昂輝「やってくれるんですか?」
剣介「どーせなら全員やろ、A姉と」
衛「お、おおお俺はいいよ…!」
涼太「…衛がやるならやる」
衛「なんで!?」
剣介「じゃあ強制参加。というわけで、順番にやってってA姉にキスしたら勝ちで」
『訳が分からん、お前はリョウとやれ』
剣介「やだよ、殺されちゃう」
涼太「衛とやりなよ」
衛「俺が死んじゃう」
昂輝「なら…俺とやるか?…なんて」
涼太「…」
衛「…」
剣介「まじ?」
昂輝「…いや、お断りしておく」
『もー、いいから始めよ。キスくらいでぴーぴー言うつもりはねぇよ』
Growth「かっこいい」
壁際に立って『どっからでもかかってこい!』と構えると全員が1歩退いた。
『退いてんじゃねぇよ、はよ来い』
剣介「よ、よーし!衛から行くんだ!」
涼太「最年長、歳の順」
昂輝「頑張れ、衛」
毎度のことながら皆ノリノリなのが恐ろしい。私は気にしないが、フツーなら恋人でもない奴とキスなんてーとか色々言うだろうに
『……伝染ったか?』
衛「な、なにが…?」
『あぁいや、なんでもない』
そのくらい仲良くなれたのかな、と勝手に納得してポッキーと私を交互に見る衛を眺める。その緊張がなんだか新鮮だった。
衛「ご、ごめんね…Aちゃん」
『…』
どうして謝るのか不思議だが、衛の反応が正しい。多分、私達4人がおかしいのだ。
衛「…やろっか」
『あぁ』
衛はチョコがついている方を私に咥えさせるとその反対側をおそるおそる食べ始めた。
『……』
ぽりぽりとお菓子を食べる音だけが聞こえる。なぜだか衛が愛しくて、片手で彼の指をそっと絡めて、もう片方の手は彼の頬に添えた。
衛「…!」
『…離すな』
衛「…んん…!?」
残り1センチもないくらいのお菓子から口を離し、背伸びして溶けたチョコレートで汚れてしまった彼の唇を舐めた。そして唇を離すと、潤んだ瞳の衛と目が合った。
『…怖かった?』
衛「ち、違うよ?その…なんか、ドキドキして…」
あと首と腰やられて…と苦笑いをしながら首をさする衛を見て、なんだかまた愛しく感じた。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年11月1日 19時