ゲームをしよう。編1話 ページ14
雪宮side
11月11日。椿にハピバメールを送っていると、なんかのお菓子を持ってきた剣介に捕まった。
剣介「A姉、俺とゲームしよっか」
『…めんどくさい、パス』
剣介「ひどい!冷たい!鬼ー!」
『うるさい、馬鹿、離せ』
後ろから抱きついてくる剣介を剥がして涼太の背中に隠れると、リョウはケンからお菓子を奪った。
涼太「ポッキーゲームか…なるほど。じゃあA、これ俺とやろっか」
『ポッキーゲーム…?』
剣介「…まさか、知らない?」
涼太「じゃあやってみよっか」
剣介「いやいや、俺とやろ?」
『……ケンとリョウでやれよ』
剣涼「無理」
2人で即答した後、お互いの顔を見合わせて何かを考えていたみたいだけれど、「やっぱ無理だわ」という一言で終わってしまった。
涼太「ケン、衛とやってあげなよ」
衛「なになに?俺がどうしたの?」
剣介「衛、俺とポッキーゲームやる?」
衛「え…あ、えっと、うーん…うーん…」
優しい衛はきっぱり断れないらしく、困った顔で私に助けを求めてきた。
衛「どうしようAちゃん、俺ケンくんとキスしちゃうかも」
『へぇ、すればいいじゃん』
衛「ちょっ、お願い助けて」
剣介「冗談だよ、青ざめんなって」
『でも、なんでキスなんだ?』
涼太「……このポッキー咥えて」
『ん…?』
あらかじめ半分くらいに折ったそれを私に咥えさせると、リョウは私の顎に優しく手を添えて咥えているポッキーの反対側を口に含んだ。
『…!』
た、食べられてる…リョウをじっと見つめていると、残り数センチの所でリョウの顔が離れた。
涼太「…そんな目で見ないでよ」
『……どんな目?』
涼太「…。」
リョウはふい、と顔をそらすとそのまま口を聞いてくれなかった。なんで、と衛を見たけれど彼は苦笑いしかしてくれない。
剣介「ねぇー、俺ともやろ?」
『嫌だ』
衛「け、ケンくん…そんなにやりたいなら俺が…」
剣介「いいのか衛、A姉のために俺とキスする覚悟あんのか?」
衛「うっ…ないです!」
涼太「うるさいんだけど」
4人でギャーギャー騒いでいると、視界の端にコンビニの袋を持ったコウが見えた。
昂輝「Aさん、ポッキーゲームしませんか」
涼太「 」
剣介「…」
衛「コウくん…一体誰からそんなことを…!」
これは、逃れられなそうだ。
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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年11月1日 19時