続き ページ6
『は…ぅ…』
私の返事など待たずに、衛の好き放題第2弾が始まってしまった。色んなところを舐めたり、撫でたり、キスしたり…とにかく衛のせいで、おかしくなりそう
『っ…や、ぁ…』
｢…A、耳弱いよね。…ふっ｣
『んっ…』
耳に息を吹きかけられ、甘噛みされ、優しく舐められ…抵抗すればするほど、衛の拘束は強くなっていく
｢だーめ、逃げないで。お願い、傍にいて｣
『ま、もる…』
私は衛に弱いらしい…。縋るような衛の声に、動けなくなる。そしてそれをわかっている衛は、後ろから抱きついて私のお腹に手を回した。
｢ん…Aのいい匂い…｣
『ま、衛…？』
後ろから首筋に顔を埋める衛の様子をうかがっていると、なぜかいきなり、ゆっくりと手が離された。
｢んー…A…ぎゅってして｣
『え、あぁ…ぎゅうっ』
振り向いて、衛と向かい合って、衛を優しく抱きしめる。衛は私の胸元に顔を埋めると、腰に手を回してきた。
｢柔らかいね、Aちゃん…温かくて、柔らかくて、いい匂いで…優しくて、大好き｣
『衛…私も、好き。大好きだよ？』
｢…ん、ありがとう｣
私の肌に、衛の湿った吐息がかかる。そこから感じる温かさが恥ずかしくて、目を逸らした。
『…寒いよ、衛』
話を逸らそうと、思った言葉をそのまま告げる。布団の中とはいえ、下着姿では寒くて死んでしまいそう
｢じゃあ、こうして…っと…、ほら、こうしよっか｣
『…！』
いきなり上を脱いだ衛が、ぎゅっと抱き着いてくる。お互いの肌が重なり合って、体温が上がるのがわかった。
｢ふふ、Aは温かいねぇ｣
『ま、衛のせいだもん！』
｢…そうだね、俺のせい。……さっき、寂しかったでしょ？1人にしてごめんね｣
『…っ』
衛の言葉に、作曲中の衛を思い出す。私はまるで、空気そのものだった
｢Aちゃんに構ったら、俺、君から離れられなくなっちゃうから…我慢してたんだよ｣
『…そう、なの？』
｢うん。…でも今は、仕事を忘れて、充電したいな｣
『…遅い』
｢あはは、ごめんね？…1人で寒かった分…いや、それ以上にちゃんと温めてあげるから、許して？｣
優しい声で、ぴったりとくっついて来る衛がなんだか可愛くて…色々文句を言いたかったけれど、何も言えなくなる私なのでした。
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年10月25日 19時
