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昂輝｢さて…約束したからには、今夜は炊き込みご飯にするか｣
『え？いや…いいですよ』
昂輝｢…？いい、とは？｣
涼太｢まさか、コウに助けてもらった恩を返さずにコウに嘘をつかせる気じゃないよね？｣
『うっ…こわい…』
すごい勢いで迫って来る涼太くんから逃げて剣介の背中に隠れる。すると首根っこを掴まれて昂輝くんの前に突き出された
剣介｢はい、あげる｣
昂輝｢ありがとう｣
『ちょっ…私の扱い！』
衛｢まぁまぁ、Aさんの言い分も聞いてみようよ｣
衛くん…！1人でも味方がいてくれて嬉しい。ありがとう、と彼を見上げると優しい笑顔が返ってきた
衛｢あと俺も炊き込みご飯食べたいです｣
『炊き込みご飯…！！』
昂輝｢炊き込みご飯はもちろん作る。材料はAさんの好きなものでいい。それに、料理も教える。…悪い話ではないだろう？｣
『で、でも私…ただのスタッフだし』
昂輝｢そんなこと、気にしなくていい。俺が好きでやっているんだ｣
『は、はぁ…』
昂輝｢それに…こうでもしないと、Aさんと一緒にいられないから…｣
『え…？』
独り言のように呟いた言葉が耳に入り、ぱっと顔を上げて彼を見つめる。昂輝くんの顔は少しだけ赤くて、唇は何かを言いたそうに動いていた
昂輝｢……嬉しかった｣
『？』
昂輝｢嫁だとしても…一瞬でも、俺を選んでくれたこと｣
『…！』
昂輝｢…次は、一生を共にする人として選んでもらえたら…嬉しい、かな？｣
『！？』
うっ…な、なんてずるい笑顔…！そんな笑顔見せられたら、選ばないわけないのに…
涼太｢……コウ、俺も一生そばに居るから｣
衛｢俺も！ずっとずっと一緒にいる！！｣
剣介｢待て待て、2人ともAの邪魔すんな｣
ときめいたのは私だけじゃないみたい…よかった(？)じゃなくて、この返事は…どうしたら…
昂輝｢返事はすぐじゃなくて大丈夫。…それに、悩む暇なんて与えないくらい、たくさん愛情を注ぎますから｣
『〜っ…』
顔を寄せられ、綺麗な笑みを向けられ、最後に鼻に軽く口付けられて…ふらっとして倒れそうになった所を抱きとめられて、最終的に彼の腕の中に収まった。
昂輝｢ふふ、かわいいな…A｣
『うぅ…やっぱり炊き込みご飯今度で』
昂輝｢今食べたいんだろう？今夜一緒に作ろう｣
『…』
もう…これ、選択肢なんてないじゃん。
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年10月25日 19時
