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手触り《桜庭涼太》 ページ2

『あー…アライヌくん手触りいい…』

もふもふ…と桃色の大きなアライヌくんに顔を埋める。風呂上がりのこの時間が癒しだ。

「…あのさ、それ俺の部屋でやること?」

『ん?嫌だった?』

振り向くと、同じくお風呂上がりのリョウくん。別々に入ったのにもう出てきたのか…あっという間だ。

「嫌じゃないけど…どうせなら俺の相手してよ」

むすっとしながら私を見下ろすリョウくんをもふもふしながら眺めていると、ため息をつかれた。

「こっち。俺にぎゅーってして?」

『…!』

おいで、と両手を広げるリョウくんに抱き着くと、彼の手に優しく包み込まれた。

『ふふ、もっと頭撫でて』

「撫でられるの好きだね…かわいい」

『えへへ』

温かいリョウくんの身体に擦り寄って腕を背中に回すと、彼は少しだけ抱きしめる力を強めた。

『…?』

「Aの髪、手触りいいよね」

『そう?アライヌくんの方が手触りいいよ』

もふもふだし、と付け加えるとリョウくんはくすりと笑ってまた撫でてくれる。

「確かにアライヌくんは手触りいい。もふもふだし、可愛いし」

『うん、だよねっ』

「でも、俺はAも好き。髪も肌もさらさらだし、可愛いし…温かい」

『…!』

真っ直ぐ目を見て言われると、なんて返したらいいのかな…。返事に困って俯くと、リョウくんは小さく笑って私の頬に手を添えた。

「そういう困った顔も好き」

『う…』

「ほっぺたすべすべで、柔らかくて…温かいね」

『うぅ…』

「ふふ、ごめん。困らせてみたかった」

困った顔好きだから、と耳元で聞こえてバッと顔を上げると、それを予想していたみたいに唇同士が重なり合った。

『…!?』

「ん…ふふ、唇も柔らかくて、美味しい」

『はわわわ…』

「そんなに焦る?あ、こら…逃げちゃダメだよ」

アライヌくんのかげに隠れようとしたら腕を掴まれて捕まってしまった。そしてまた、優しく包み込まれる。

「Aは充分もふもふしたでしょ?次は俺の番。俺が、Aをぎゅーってするの」

いいよね、と笑顔で覗き込まれたけれど、さすがにダメとは言えずに頷いた。

「ありがと、A」

『んーん』

「ふふ、A。大好き」

肩に顔を埋めて優しく撫でてくれるリョウくんの温かい手に、実はものすごく癒されているのは言うまでもない。

守りたい人《衛藤昂輝》→←看病《八重樫剣介》



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作者名:雪藤 | 作成日時:2019年10月25日 19時

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