続き ページ8
｢ご、ごめんねAちゃん…！やりすぎた！｣
『うっ…ひっく…、衛のばか…！』
無理やりすぎた。まさか泣かせちゃうなんて…！
た、助けてコウくーーーん！！
｢…A、泣いているのか？｣
はっ！ほんとにコウくん来た！？嬉しいようなものすごく申し訳ないような…！
｢ご、ごめんコウくん…！これは、その……むぐっ｣
状況を説明しようにも焦って言葉が出てこない。するとコウくんは置いてあった俺のチョコを手に取り、俺の口に突っ込んだ。
｢衛、知ってるか？実は、Aはひとりひとりの好みに合わせてチョコの甘さとかを調整しているんだ｣
｢もぐもぐ、ごくっ……っえ…？｣
突然静かに語り始めたコウくんに俺もAちゃんも固まってコウくんを見つめる。
『なぜ…それを…？』
｢ケンやリョウと話していたんだ、それぞれが好みの、ちょうどいい甘さなのはなんでだろう、って。試しに二人のを少し貰ったら、みんな味が違かった｣
そう言ってコウくんは自分がAちゃんから貰ったチョコを少しだけ俺に分けてくれた。…確かに、味が違う…。
｢ただでさえものすごく凝っているのに、それぞれの好みに合わせたものを作る…すごいよな。俺は、こんなすごい妹を持てて誇らしいよ。｣
『……っ…！？』
コウくんは嬉しそうに笑って、じゃあまたな、って小さく手を振って部屋を出ていってしまった。残された俺とAちゃんはお互いの顔を見合わせて、しばらく黙っていた。
｢……Aちゃん、さっきはやりすぎてごめんね？俺は、Aちゃんが頑張ってるの分かってるから、コウくんとくらべて落ち込んで欲しくなかったんだ｣
『…いえ、私もごめんなさい。兄さんがすごく料理が上手だから…コウの方が美味しいって言われたら嫌だったから……っん…』
泣きそうになる彼女の口を触れるだけの口付けで優しく塞ぐ。やっぱり、最後までは言わせたくない。
｢何も言わなくても大丈夫、わかってるから、ね？｣
『……う、ん』
｢誰にだって、比べて落ち込む時はあるよ。でも、君には、君にしかない魅力があるでしょう？｣
優しく彼女の頭をそっと撫でた。さっきのコウくんの言葉を思い出したのか、Aちゃんの目からはまた涙がぽろぽろ零れてくる。
｢大丈夫、自信を持って。君のチョコ、見た目も味も大好きだよ。｣
もちろん、君のこともね？
そう言ってまた口付けをする。
彼女が自信を持つまで、俺は何度でも伝えるよ。
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雪藤(プロフ) - あいりさん» コメントと応援ありがとうございます！まだまだ初心者ですが、これからも頑張ります！(*´∀｀*) (2019年2月14日 17時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - コメント失礼します！ とってもいい作品でした！これからも応援してます！ (2019年2月14日 16時) (レス) id: 6a2f1ef967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年2月12日 23時
