独占したい《衛藤昂輝》 ページ38
☆Aさんは女優さんでコウくんの好きな人
『っ…やだっ、やめてよコウ！！』
｢…なぜだ？お前が頼んだんだろう？｣
平然とした顔で私を見つめるコウこと衛藤昂輝。
対して私は肩で大きく息をし、涙ぐみながらコウの部屋のベッドの上の壁に寄りかかっている。
『確かに、頼んだのは私…、だけどっ』
｢だけどどうした、仕事だろ？｣
コウの言葉に、返す言葉が見当たらずに黙り込む。
何があったのかというと、五分くらい前に遡る。
───五分前───
『コウ、相談したいことがあるんだけど…』
ドラマの演技についてちょっと相談があって、共演者で同じ事務所のコウの部屋を訪ねた。
｢あぁ、いらっしゃいA。どうしたんだ？俺に相談したいこと？｣
『うん。あのね、ドラマの、このシーンなんだけど……これ、どういう感じなの？』
そう言って私は、彼に台本を見せた。彼は静かに台本を受け取ってじっと見ていた。…少ししてから、彼は困った表情で私を見てきた。
｢…これ、本当にわからないのか？｣
『えっ、うん…今までとは全然違うタイプの役だから、想像つかないの』
今まではのほほんとしてる女の子とか、大人しめの女子高生とかの役ばかりだった。でも、今回は確か“大人っぽいクールな女性”とか言ってたな。監督さんからは大人の色気がほしいって言われた。
｢Aは、恋人がいたことないのか？｣
『ないよ、私告白されたこともないし』
そう、告白されたことない。中学生の頃スカウトされてツキプロに入ったけど、別に告白されるほど可愛くないし、なんでスカウトされたんだ？
｢……Aはかわいいし、綺麗だと思うぞ？｣
『…………はい？な、なに突然どうしたの』
こ、コウに綺麗とか言われた…やばい声震えてる。
驚いて固まっているとコウが私の頬に手を添えた。
｢いないのなら好都合だ。せっかく来てくれたんだし、俺がその相手役をやってやる｣
『えっ、いいの？この人の役やれるの？じゃあお願いします！』
私がコウに頭を下げると、コウは笑って頭を撫でてくれた。そして台本に視線を落とした。
｢………俺が、この役がよかったな｣
コウの言葉は小さくて聞き取れなかった。その後、コウの指示で私はコウの部屋のベッドの上に座った。すると、コウの顔が近付いてきて、一瞬で私はコウと壁の板挟みになってしまった。
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雪藤(プロフ) - あいりさん» コメントと応援ありがとうございます！まだまだ初心者ですが、これからも頑張ります！(*´∀｀*) (2019年2月14日 17時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - コメント失礼します！ とってもいい作品でした！これからも応援してます！ (2019年2月14日 16時) (レス) id: 6a2f1ef967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年2月12日 23時
