彼女の秘密《桜庭涼太》 ページ3
☆Aさんはコウくんの妹でリョウくんの彼女さん
俺の彼女、衛藤Aは学校や外ではコウに似てけっこうクールで、ケンに負けず劣らず男前で潔い性格をしている。でも…
『すぅ…』
でも、今共有ルームのソファに身を預けて寝ている目の前の彼女は、普段からは想像もつかないくらいに可愛かった。
｢……。｣
俺のイメージカラー、ピンクの中サイズのアライヌを抱いて、小柄な彼女には大きすぎる俺の服を着て眠っているA。…どうしよう、かわいい。
｢起こすのはもったいないし…｣
起こしたらいつものクールな彼女に戻ってしまう気がして、なんとなくもったいなくて、とりあえずスマホを取り出して無音のカメラで撮影する。
これはとりあえず、大事にしまっておこうかな。
｢…かわいい｣
Aにそっと近づいて、ソファの前に座って彼女の頬を撫でる。ぴくりと小さく反応してその手に擦り寄ってくる彼女は小動物みたいだった。
『……んぅ…りょう…？』
｢あ、起きちゃった？おはよう、A｣
俺が触ったことで起きてしまったらしい。ふわふわとした意識の中俺の名前を呼ぶ彼女の頭を撫でて笑顔を返した。
『……おはよー？』
まだ意識が覚醒しきれていないようで、首を傾げながら紡がれる彼女の甘い声に、こちらがおかしくなりそうになる。
｢……っ…｣
なんとか気持ちを抑えようと目を逸らしてひと息つく。するとちょんちょん、と肩をつつかれて彼女の方を見ると唇に柔らかい感触があった。
｢んっ…え…A？｣
『ん……ふふ、おはよ、涼太？』
もう意識がはっきりしているのかしていないのかわからない彼女の行動に思わず固まってしまう。それと同時にぶかぶかな俺の服の隙間から見える肌に、俺の中の何かが壊れたような気がした。
｢ほんっと…兄妹揃って……｣
『なにか言っ……ふぁ！？』
ぼそっと呟いた俺の言葉を聞こうとソファの上から身を乗り出した彼女を引っ張って膝の上に乗せた。
『え、え？』
｢Aがそうさせたんだからね？…逃がさないから｣
背中を指でなぞりながら耳元に顔を寄せて低い声で呟く。Aはびくびくしながら俺から逃げようと身をよじる。
『お、お兄ちゃ…に、見られ…ちゃ…』
｢大丈夫、コウなら夜まで帰ってこないから｣
『ケンちゃん、と…か、は…？』
｢安心して、俺の部屋に移動するから｣
そう言って俺は彼女を抱き上げて部屋を後にした。
目の前の彼女は、俺だけの秘密。
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雪藤(プロフ) - あいりさん» コメントと応援ありがとうございます！まだまだ初心者ですが、これからも頑張ります！(*´∀｀*) (2019年2月14日 17時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - コメント失礼します！ とってもいい作品でした！これからも応援してます！ (2019年2月14日 16時) (レス) id: 6a2f1ef967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪藤 | 作成日時：2019年2月12日 23時
