続き ページ18
『とりあえず、私に触るがよい』
｢何キャラですか｣
『いいから。衛さんがこの現場で生き残るために、頑張って？涼太には秘密だから』
Aさんは、簡単に言うと半袖短パンでスタンバイしている。しかも身体を触れと。お兄さん無理だよ、それ絶対犯罪でしょ
『私は未成年じゃないの、それに私が許可してるんだから犯罪でもないわよ』
｢う…心読まれてる…｣
『それに、やるからにはちゃんとやりたいじゃん。どんな役でも、半端なことはしたくない』
いつだってやるからには完璧にやる。その姿はリョウくんにそっくりで、自然と背筋が伸びた。
『私に触るのが嫌なら…すごく申し訳ないことしてるなって思う、けど…でも…』
｢…わかりました。俺も覚悟を決めます。だから、協力…してもらえますか？｣
おそるおそる俺の方から彼女にお願いする。すると彼女はほっとしたように笑ってくれた。
『じゃあ、えっと…ここから通してやってみよ？』
｢は、はい！｣
俺は台本の通りに演技をした。Aさんも俺に合わせて演じてくれて、ある程度は上手くいった。
｢…ここは、どうしたらいいのかな｣
なんとなく流れと雰囲気は掴めてきたけど、彼女の浮気を責めるお仕置きのシーンがいまいち掴めない…
『…衛さん、演技はけっこういい感じなんだけど、もっと思い切り触っていいよ？』
｢ぅえぇ！？あれじゃだめですか！？｣
この回はけっこうスキンシップが多くて、彼女の胸とか太ももとか触っちゃったりするんだけど…
『役柄的に…こう、ぐわっと？』
そう言って彼女は自分の胸を掴む。大胆すぎる…
『足とかも、掴むくらいの勢いで大丈夫。私だってある程度は我慢するから、気遣いはいらない』
彼女は仕事において気を遣われることが嫌らしい。そう聞いてしまったら遠慮なくいかないと失礼だ。なんて考えていたら彼女のマネージャーさんがそろそろ始まることを伝えに来てくれた。
『そろそろだって。行こ、衛さん』
｢え、うん…大丈夫かな？｣
『大丈夫だよ、衛さんなら出来るよ。』
大丈夫だから頑張ろう？と彼女は笑ってくれた。その笑顔に少し安心した俺は、はい、と頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪藤(プロフ) - あいりさん» コメントと応援ありがとうございます！まだまだ初心者ですが、これからも頑張ります！(*´∀｀*) (2019年2月14日 17時) (
レス) id: e3a335fc77 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - コメント失礼します！ とってもいい作品でした！これからも応援してます！ (2019年2月14日 16時) (レス) id: 6a2f1ef967 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪藤 | 作成日時：2019年2月12日 23時
