迎えに来ない母 ページ13
その頃、園では…
閉めたガラスの向こうをずっと見ながらソユンがママのお迎えを待っていた。
「先生、さようなら！」
「はい、さようなら」
ついに、最後のお友達が帰ってしまい、一人ぼっちになってしまった。
ソユンちゃんの寂しそうな表情が強くなる。
いつもはこんなに遅く残る事は無い。
こないだのバビが来た日くらいだ。
真っ暗な外の門の方を、食い入るように見つめるソユンちゃん。
「ソユンちゃん、何かして遊ぼうよ」
声をかけると、窓の外を見ながらソユンちゃんが呟く。
「ママ、何かあったのかなぁ…」
ソユンちゃんを安心させる為に、
「先生、ママに早く迎えに来てくださいってお電話してきてあげる」
そう言って、職員室に向かった。
だがしかし…
「プルルルル…プルルルル…」
受話器の向こうの呼び出し音が虚しく響く。
ガチャンと受話器を置くと、はぁ〜とため息をつく。
繋がらない。
3回かけてもダメだったので、一旦教室に戻る。
教室の引き戸を開けると、ソユンちゃんがどうだった？という目でこっちを見る。
「ママ、忙しいのかもしれない。電話に出られないから、もう少し待ってよう！
いつもちゃんと迎えに来てくれるんだから、大丈夫だよ！」
そう言って元気づけるが、涙目になっていくソユンちゃん。
大丈夫！と言って遊びに誘うが、時計を見るとついに規定時刻の6時半を過ぎてしまった。
何があったんだろう…
何故こんなに遅いのに連絡がないんだろう…
さすがに私もだんだん不安になる。
もう1度連絡を入れに行こうと動き出そうとしたその時、
「ジウォン!!!!」
ソユンちゃんの叫ぶ声に外を見ると、
はぁはぁ言いながら走ってくるバビがいた。
「………!!!」
ガラッと戸を開け、バビに駆け寄るソユンちゃん。
「ジウォン!!ママは？ママは？」
泣きそうになりながらジウォンオッパにしがみつく。
はぁはぁと息を切らしながらバビが答える。
「今日は…俺が…迎えに来た…！！
ママは今たぶん…美容室…」
A「びっ……」
美容室！！！？
「…………」
何の事やら理解出来ないソユンちゃんは、黙ると言うか止まってしまった。
バビがもう一度ちゃんと説明する。
「俺が迎えに行くって連絡したら、じゃ美容室行ってくるねって。
連絡したのも5時過ぎてたんだ。
そこから急いで来たから、遅くなっちゃった」
あは、と笑うバビ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yuki(プロフ) - Leeさん» 失礼しました！とりあえず直せる所は直しました。またちゃんと確認してみます。読んでくださってありがとうございます。 (2018年4月2日 21時) (
レス) id: d42966efe2 (このIDを非表示/違反報告)
Lee(プロフ) - いつも楽しみに小説読ませて頂いています。ただ、たまに先生の名前が変換されてない時があります。そして、一応がいちおうではなくいちようとなっています。そこの２つを直していただければと思います。上から目線ですみません。 (2018年4月1日 14時) (レス) id: 5073b0f41b (このIDを非表示/違反報告)
YUPPY(プロフ) - あかねさん» コメント頂きありがとうございます(^^)しかも、楽しみにして頂いてるなんて、嬉しい限りです(涙)これからも、宜しくお願いします(^^) (2018年3月27日 20時) (レス) id: 8d05525993 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - あかねさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も更新頑張れそうですT^Tありがとう！！ (2018年3月25日 7時) (レス) id: d42966efe2 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます！毎日更新が楽しみで仕事も頑張れます！続き楽しみにしてますね！ (2018年3月25日 3時) (レス) id: 260b7cf703 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Yuki | 作成日時：2018年3月1日 12時
