2回目の初恋.Akito 2*

＊057＊ ページ27

もうすぐ花火大会が始まる



私たちは
ただただ真っ暗な空を見つめていた。



お互い何も話さなくて
ずっと沈黙が続いているけど
全く気にならなかった。



照史くんもずっと空を見つめている。



今なに考えてるんやろ？



いつも見ている
照史くんの横顔だけど
今日は少し変わって見えた。




ずっと見ていたい。



ずっと......


照史くんの側にいたい。




溢れ出すこの気持ちを伝えたくなる。




でも言葉にしたら
照史くんが遠くに行ってしまう気がする。



もう、どこにも行かんで.....



声に出したか
自分でもわからなかったけど



照史くんは、私の方を向いた。



『どこにも行かんで......照史くん。』




A、どうしたん？って



聞いてくる照史くん。





もう無理や。



我慢してた涙が一気に
溢れ出した。




お願いやから
もうひとりにしないで


お願いやから
どこにも行かんでよ...






『照史くん...私...私な...』




何も言わず
優しく涙をふいてくれる
大好きな人の手。



6年前......
あの頃の私は泣くことしかできなくて
この手を離してしまった。




でも...
もう離したくないねん...




あの時も今も



私の気持ちは



ずっと......変わらへん









『照史くんの事、好きやねん。』









照『A.......』









《バーーーーンッッッ









花火の音で
よく聞こえないけど。



照史くんは確かに




私に......








照『A......ごめん。』








そういった。

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