2回目の初恋.Akito 2* (ページ26)

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「Aちゃーん」

振り向くとそこに立っていたのは

藤田さんだった。

『すいません...急いでるので』

「そんな、避けなくてもええやーん！」

久しぶりに見る藤田さんは

化粧も服装も前とは違って
すごく派手になっていた

「うちな？メイクも服装もずっと
照史くんの好みに合わせてきたんよ。」

そう言う藤田さんの目は
すごく寂しそうだった。

「それなのに...
なんで振り向いてくれんかったのかな？笑」

「今思うとなんで
あんな奴好きやったんやろ？
最低やろ、ホンマに大っ嫌いや。」

『なんでですか？』

反論したらまた...
誰かを傷つけるかもしれない。

だけど......

『なんで、好きになった人を
そんな風に言えるんですか？』

私は照史くんの事しか
好きになった事ないけど。

一度好きになった人を
嫌いになんてなれないよ。

「アンタって純粋やな。
あいつ以外、好きになった人おらんやろ。」

図星すぎて、恥ずかしくなる

「アンタ、ホンマに可愛いわ。
どんなに着飾っても、勝てへんわけや」

『藤田さんの方が、私なんかより
ずっとずっと！可愛いです！』

「ホンマに？笑ありがとうなっ
なんであいつが、アンタ選んだか分かる気がするわ」

そう言った藤田さんは

すごく優しそうな顔をしていた。

これが本当の藤田さんなのかもしれない。

変えてしまったのは
私かな...

「ごめんなっ？この前も、さっきも。」

『さっきって？』

「アンタに話しかけてきた奴らおったやろ？
2人の邪魔したくて、私が頼んだの。」

そういうことだったんだ...

照『Aっー！』

遠くから照史くんの声がした

藤田さんは

「あいつにも、謝っといてな」

そして最後に
お幸せになって言って

どこかに行ってしまった。

照『全然帰ってこーへんから心配したわ！』

藤田さんと話して
心の奥にあったモヤモヤした気持ちが
どこかに行った気がした。

照『今、おったの藤田やんな？
何もされんかった！？平気か！？』

『藤田さんと仲良くなったかも！笑』

照『ふぇッ！？そっ、そうなん？』

ふぇッって笑
なんて言う声だしてんねん笑

照『Aっ、なに笑ってんねん！
ホンマに心配したんやぞ！笑』

『ごめんごめん！笑』

藤田さんも
きっと変わったんだと思う。

私も...
くよくよしてないで。

勇気を出して
前に進んでみようかな。