静かに降り積もる雪のように (ページ3)

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2: ヒミツページ3

～その年の４月、入学式～

ラッキーなことに、翡翠中学校(ひすいちゅうがっこう)という私立学校に、その後受かった。
女子校だから、殴ってくるバカな男子から逃げれた。私立だから、悪口を言う嫌な女子からも逃げれた。

１からの、スタートだった。

「……あ、ここか」

《1-I》。それが私のクラスだった。
翡翠中学校はクラスが多くて、AからIまで8クラスもある。I組が中央階段の近くにあって、A組が廊下の奥のほう。中央階段の近くということは、廊下の奥まで移動しなくても良くなって、凄く良いところだ、ということだった。

「……」

チラッと、両手を見る。
手の怪我をした時、包帯の固定とかで使うネットが、其処には着いていた。勿論怪我をしている訳ではない。
あの時……雪の紋様が手についたあの時から、色々と試していた。それから分かったことは、凄く使いやすい超能力だということ。
掌を冷たくしたり、水などを冷やしたり。1回、ふざけて雪を降らせてみようとしたら本当に降ってきて、その夜のニュースが大騒ぎだった。それきり雪を降らせることはしなくなったけど、何か物を冷やすことは時々した。だけど困るのは、そうやって超能力を使っているとき、自分の回りに雪が舞うこと。結構解りやすいので、あまり使うことはなかった。
そして、何をしても消えることのなかったその紋様を隠すため、怪我に使うネットを着けることにしたのだ。

「秘密、秘密……また、あの『惨劇』を受けたくはないよ」

二の舞を踏むような馬鹿なことは絶対にしない。
そう心に誓って、私は教室のドアを開けて、なかに入っていった。