《雪色の旋律》SnowManと私のスクールアイドル日誌 (ページ30)

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岩本照side＿＿＿＿

岩「ただいま…」

「おかえりなさい。新しい学校はどうだった？」

岩「別に。」

「照…。お母さん、ちょっと出かけてくるね。
また学校の話聞かせてね。」

俺は親の仕事の関係で昔から転校が多かった。
その度に友達を作って、離れて、作って、離れて。

小学校を卒業する頃には、もうその一連の流れが面倒くさくなってしまっていた。

そんな俺を見兼ねた親に連れていかれたダンス教室。
初めは嫌で嫌で仕方なかった。
自分から始めたわけじゃないし、最初はやらされてるって意識の方が強くて。

でも、だんだんと楽しくなってきて。
踊っている時だけは嫌なことを忘れることが出来た。
ダンス教室の人数は多くて発表会の選抜のためにグループは入れ代わり立ち代わりだったから、特別誰かと馴れ合うことも必要なくて。

練習は1人でもできるし、鏡に映る自分を見ながらだったら微調整もできる。
全部一人で出来ることが楽だった。

中学を卒業して、高校に入学して少し経ったと思ったらまた転校。

一人は楽だ。

でも、誰にも見送られない引越し当日。
誰とも写真を撮ることがなかった卒業式。

以前のように友達を作って、離れてという繰り返しよりも一人でいることの方が、よっぽど辛いんだと気づいた時にはもう遅かった。

でも、俺はもうこのやり方しか分からない。
だから俺は1人で踊り続ける。

岩「スクールアイドル部…。」

昼間の人達はなんだったんだろう。
俺と何かやりたい、だなんて。
俺の事なんてよく知らないくせに何言ってんだか。

佐「"助けて"って目をしてたから。」

あの佐久間って奴なんなんだ。
どこか自分を見透かされたようなあの言葉が頭から離れない。

まぁどうせすぐ諦めるだろう。