▼ ページ2
貴「あ。」
新入生代表の阿部亮平くん。
そう言えばさっきA組の…とか言ってたなぁ。
難しそうな本を読んでいる彼に少しだけ目線を向け、"次は負けないぞ"なんて届きもしない念を送ってみる。
今日から高校3年間。
特に夢もないまま過ぎていきそうな日々。
貴「もう、諦めなきゃ。」
この退屈な毎日から私を連れ出してくれたあの落雷のような出会いが、私の人生を大きく変えることとなる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
伊澄「A、迎えに来たよ。帰ろ。」
貴「伊澄！」
人見知りなこともあり友達は1人もできず、机に突っ伏している私に声をかけてくれたのはやっぱり伊澄で。
伊澄が居なかったら今頃私はどうなっていたんだろう…とか色々なことを考える。
貴「いつもありがとう。」
伊澄「急にどうしたの。」
貴「ふと、伝えたくなって。」
伊澄「なにその可愛い理由。笑」
なんて話しながら教室を後にし、靴を履き替える。
伊澄「Aはもう部活決めたの？」
貴「ううん、私部活はしないの。」
伊澄「A…。」
貴「伊澄はバスケ部でしょ？」
伊澄「うん…。」
貴「もうね、全部諦める。
私に音楽は向いてなかったみたい。」
伊澄「でも私、Aの作る曲も歌声も大好きで、ずっと聴いていたい。何よりAには毎日楽しそうに過ごして欲しくて…。高校でなら…」
貴「伊澄が一緒って理由ももちろんだけど、全部諦めるために私はこの学校を選んだから。」
伊澄「A…。」
貴「そんな悲しそうな顔しないで？もう帰ろう？」
？「一緒にスクールアイドルやりませんかー！？」
少し哀しげな雰囲気を壊すが如く聞こえてきたのは、少し高めの男の子の声。
伊澄「え、なになに。」
貴「スクールアイドル…って何？」
伊澄「分かんない。」
？「スクールアイドル部！部員募集中です！
学校でアイドル！やりませんかーっ！！！」
伊澄「めっちゃ声でか…。」
貴「ね。部員募集してるってことは、上級生？」
伊澄「でもネクタイ私たちと同じ色だよ。」
貴「本当だ。」
私たちと同じ学年カラーの青のネクタイと綺麗な制服を身にまとった彼は、佐久間大介と大声で名乗った。
貴「佐久間…大介くん…。」
伊澄「スクールアイドルってなんだろうね。」
貴「さぁ…。」
元気いっぱいに叫ぶ彼を横目に、私たちは駅へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪色ぺんぎん | 作成日時：2021年8月22日 0時
