冷 た い 笑 み ページ7
.ボーカルドールとなったひびきさん
Aちゃんがらぁらの立場。not原作沿いです。
『お疲れ様。ひびき』
ライブ終わり。楽屋に戻ってきた彼女にお疲れ様という言葉と、軽い感想を伝える。
無機質で何も感じられなかった表情が薄く微笑みへと変わる。
「…A」
ソファに座っていた私の前に立って腕を広げる。
ライブ終わりにいつもするハグ。
彼女はこれが好きだ。
以前の彼女の、余裕そうに笑みを浮かべながら腕を広げ私を呼ぶ姿。それと酷く重なって、なんだか寂しくなる。
彼女はわかりやすいと言えばそうでは無いが、いつもなんだか余裕そうな態度だった。
私が勇気をだして自分からキスをしても抱きしめても、少し表情を崩したかと思ったら直ぐにお得意の笑みを浮かべ、抱き締め返してきたり、キスしてきたり。
なんだか悔しくて、その余裕そうな笑みをいつか崩してやりたいという思いだったが。結局私は彼が浮かべる笑みが好きだったし、その表情に弱かった。
私が彼女の笑みを崩すことも出来ないまま、彼女はもうあんな表情を見せてくれることは、無くなってしまったのだけれど。
満足したのか、ぎゅっと私を抱きしめる腕が弱まり、ゆっくりと離れていく。
そのままソファへと体を沈めて、鼻歌を歌い始めるひびき。
『…ひびき、』
「？」
彼女の隣に座って名前を呼ぶと、不思議そうにこっちを見る。
その顔に表情はなかったが、小首を傾げる姿はなんだか可愛らしかった。
『ねぇ…笑って』
今の私はきっと酷い顔をしているだろう。
彼女はそんな私を気に止めることも無く、要望通りふわりと微笑む。
さっきのライブと同じ表情。
計算されたように完璧にあげられた口角に、細められた瞳。だけどそこに光は宿ってなかった。
…嗚呼、どうして彼女はボーカルドールになってしまったのだろう。
私があの場でとめられていたら。彼女に外の世界の儚さを、友情を教えられていたら。
きっと君は、ボーカルドールになる以前の方が完璧だった。
歌やダンスは今の方が勝っているかもしれない。
ファンだって以前より増えたかもしれない。
これが彼女の望んだ姿。彼女の幸せ。
本当にそうならいいの。彼女の幸せが私の幸せだから。でも、本当にそう？
分からない、私には分からないけど
ひとつ言えること。
私は、その冷たい笑みが嫌いだ。
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空(プロフ) - バカよりのアホさん» わー！コメントありがとうございます！励みになります！！！天才じゃないです！() (6月8日 20時) (
レス) id: e629acfdab (このIDを非表示/違反報告)
バカよりのアホ(プロフ) - もうホンッッット最高ですｯｯｯ！！！！！主様は天才ですか？！ (5月27日 1時) (レス) @page14 id: 608735cb2e (このIDを非表示/違反報告)
りん - すいません💦勘違いでした。後の方で彼女て書いていましたね💦すいません (2023年4月24日 13時) (レス) id: 9b7229360f (このIDを非表示/違反報告)
りん - ひびきさんは女の子では？？ (2023年4月24日 13時) (レス) @page1 id: 9b7229360f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あませ | 作成日時：2023年3月25日 23時
