パ ラ ダ イ ス ページ12
.プリパラが終了してしまう
.ボーカルドールなAちゃん。
「そんな……プリパラが、終わる、?」
私の言葉に顔を青くして、目を見開くのは、私の世界一大切な恋人。
『…そう。一ヶ月後には終わっちゃうの、ぜんぶ』
その事実が酷く寂しくて。
私は、ボーカルドールだから。プリパラ終了と共に、永遠の眠りにつくらしい。
ずっと眠っていて目覚めることは無いのだから、寂しさは感じないんだって。それが唯一の救いかもしれない。
「じゃあ、Aは、もう僕と」
会えなくなってしまうのか。
涙を流しながら、眉を下げて悲痛そうにそういうひびきを見て、なんだか泣いてしまいそうだった。
『あのね、ひびき』
『私に愛をくれてありながとう』
ただの歌人形だった私に、愛を教えて、心を作ってくれてありがとう。
ひびきからもらった沢山の楽しいは、私の中でずっとずっと大切な思い出。
今溢れ出てしまう涙だって、君が流せるようにしてくれた。悲しいを、教えてくれた。
「…A、ッ…そんなこと言うな、これからだって、まだ、教えたいことが」
『愛してる』
瞳を揺らして私を見つめる彼女の口を、そっと塞いだ。
『寂しいなぁ』
1ヶ月の時が経った。
あれからひびきは毎日私に逢いに来てくれた。
私とファルルをどうにかして救い出す方法を寝る間も惜しんで探してくれて、システムを変えてでも助けようとしてくれたの。
でも、無理だった。
後10分で、プリパラは消える。この世界は終わって、めがにぃさんや、めがねぇさん。私。そしてファルルは永遠の眠りにつく。
ここは当たり前だけれど、プリパラ内。私
の最期の為に用意された、フリルがふんだんに使われた、ふかふかで寝心地のいいベットに座りながら外を眺めていた。
「A」
『へ……ひ、びき!?なんで、、?!』
後ろから聞こえた、愛しくて堪らない、何度も何度も聞いた大好きな声。
振り返るとそこに居たひびきは優しく笑っていて、両手を広げていた。
これは、ハグの合図。
私が寂しくなった時によくしていた。
ぎゅっと抱きついて、ひびきとの距離が0になる。
いつもと同じ柔らかいひびきの匂いに安心した。
『なんで、ここに』
「僕も消えるよ」
は、?
言っている意味がわからない。
何故。ひびきはプリパラ内に縛られていないのに。
まだまだ見れる景色が沢山あった筈なのに。どうして
「プリパラがない、君がいない世界に価値を見い出せない」
「Aは、僕の生きる理由だ」
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空(プロフ) - バカよりのアホさん» わー!コメントありがとうございます!励みになります!!!天才じゃないです!() (6月8日 20時) (レス) id: e629acfdab (このIDを非表示/違反報告)
バカよりのアホ(プロフ) - もうホンッッット最高ですッッッ!!!!!主様は天才ですか?! (5月27日 1時) (レス) @page14 id: 608735cb2e (このIDを非表示/違反報告)
りん - すいません💦勘違いでした。後の方で彼女て書いていましたね💦すいません (2023年4月24日 13時) (レス) id: 9b7229360f (このIDを非表示/違反報告)
りん - ひびきさんは女の子では?? (2023年4月24日 13時) (レス) @page1 id: 9b7229360f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あませ | 作成日時:2023年3月25日 23時