変化 ページ3
〜いのおside〜
思ってもみなかった
俺がこんなにも注目されるなんて
このグループに入ってずっと後ろで踊って見切れアイドルなんて世間から言われてきたのに
メディア露出が増えたのはすごくいいこと
だけど
少し疲れた
ジュニアの時キャーキャー言われて
俺なりにカッコつけもして、後輩に先越されたりして
沢山悔しかった
ようやく俺にもデビューの話が来た時は本当に嬉しかった
でも、そんなに単純ではなかった
蓋を開ければ
今まで人気絶頂だった、光と薮は他のメンバーの面倒を見ろと配置を後ろ両サイドに固められ
俺も後ろへ下げられた
最前線で踊る年下組
俺はバックダンサーじゃないって思いながら、心が折れないように頑張ってきた
ある時から俺は俺でいよう
アイドルだけじゃなくて、他の仕事や他のことにも視野を広げようって
ひたむきに黙々とやってきて
なのに今は急に推されるようになった
髪型も変えた
カッコイイからカワイイに路線変更もした
ねぇ
これ以上
俺に何を求めるの?
今、君たちに写ってる俺って
なに?
それは
本当に
俺?
仕事に追われ、雑誌に追われ
自分の生活バランスが分からなくなってきた
でも、俺はアイドルだから
ちゃんとカメラを見る
レンズ越しに偽りの自分を写す
バレないように
ひっそりと…
だけど、ただ一人には見透かされてる気がした
そんなに俺を見ないで
俺を映さないで
撮らないで
レンズ越しに…
今の俺に写す価値なんてない
俺はあやつり人形だから
周りに言われた通りのことを
望まれることを
ただただ
仮面をつけて演じるだけ
俺は俺らしく…そんなもの…とうの昔に壊れた
だから、仮面が落ちないように
俺はまだ頑張れる
応えられる
お願いだから
おまえにだけは気づかれたくない
…ゆうと____
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作者名:悠漆 | 作成日時:2018年5月9日 10時