14-5、クラブ蘭丸へ潜入 ページ10
歌舞伎町の外れ、レンガ造りの裏道を進んだ先に“蘭丸”はあった。
一見そんなお店には見えない外観の扉をくぐると、黒服の男が先を拒んだ。
「申し訳ございません、うちは会員制でして」
顔色ひとつ変えずに言う男の前には、有閑倶楽部と…
「おいくらかしら?…宏太、払ってちょうだい」
黒のドレスに身を包み、ギラギラと宝石をぎらつかせた、大貴の母、百合子だった。
その側には宏太と慧と涼介がきちんとしたスーツ姿で、そして、百合子の隣にには着飾ったAが寄り添うように立っている。
宏太「はい、奥様」
側近のふりをした宏太がアタッシュケースを持ち上げると、黒服が止めに入る。
「どなた様もというわけには。オーナーと相談いたしまして後日お返事を…」
宏太「剣菱財閥会長夫人の剣菱百合子様です。ご内密に」
「えっ」
その一言で、黒服の態度が変わる。
信じられない、という顔で百合子と百合子が引きつれてきた美男美女を見回した。
「私、若くてきれいな子が大好きなの♪こちらの草平くん、綺麗って評判で私のお人形さんたちがぜひ会いたいってうるさいのよ」
百合子がにこりと微笑むと、黒服は慌てたように一同を招き入れた。
・
・
中に入ると、オーナーの女性と何人ものイケメンたちがぞろぞろと店の奥から出てきた。
「残念ですわ、草平は今日出かけてますの。他の子もなかなかですのよ、ぜひお近くでご覧くださいな」
「んまーっ、みんなかわいいこと!迷ってしまうわぁ!」
百合子は夫万作も逆らえない鬼嫁だが、中身は少女趣味で綺麗なものや可愛いものに目がない。
楽しそうに蘭丸のスタッフを見回す姿に「あれって演技か?」と着いてきたメンバーは疑った。
慧「光が絶対に入れそうなんていうから誰かと思ったけど…おばさまなら納得」
涼介「それにしても、おばさんものるなぁ…」
宏太「…地なんじゃないのか?」
蘭丸潜入組は、ゲイである雲ノ井にも声を掛けられたということで慧と涼介、そして、何故か男に好かれてしまう宏太が担当することになった。
「もてるんだから頑張れよ」と待機組にニヤニヤと送り出された本人たちは不本意そうだったが。
Aはこの店に人一倍興味を持っていたようだが、いざ中に入ってみると圧倒されたのか百合子にピッタリとしがみついていた。
74人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真波(プロフ) - キクヨウさん» ありがとうございます!!もう少しで公開できそうです!頑張ります! (2021年3月21日 22時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
キクヨウ(プロフ) - お待ちしております^^ 身体に気を付けて頑張ってください。 (2021年2月27日 22時) (レス) id: 47351a6e4d (このIDを非表示/違反報告)
真波(プロフ) - ゆさん» すごく嬉しいです!ありがとうございます!!次のお話もなかなか刺激的な内容になる予定なので、ぜひ楽しんでいただきたいです〜! (2021年2月4日 20時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 真波さんはじめまして!!ドラマも漫画も見てない状態なのですが新鮮味があってとても面白くもう一度見直しているくらい拝見させてもらってます(^^)次のお話も楽しみです^ ^ (2021年1月30日 23時) (レス) id: 09f22cd81d (このIDを非表示/違反報告)
真波(プロフ) - キクヨウさん» ありがとうございます!楽しんでいただけて光栄ですー!私も有閑倶楽部大好きです!続きも近々更新しますね! (2020年12月7日 17時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:真波 | 作成日時:2020年11月15日 13時