▽我ら、有閑倶楽部。7 HSJ▽

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涼介「あのキモイおっさんの話し方からして、草平ってやつ体売ってたみたいだし…客とのトラブルなんじゃねーの？」


宏太「そういう世界で体売るって相当なリスクだからな…。それなのにお客すっぽかして逃げるなんてかなりの訳ありだろうな」


光「ただの痴話げんかじゃないってことか、」


裕翔「お金に困ってたなら、お客さんは大事にするはずだよね？」


貴方「追われてるくらいだし、なにか顧客の情報を盗んだとか、いけない秘密を知ったとか？」



様々考えてみるが、それは想像の域を越えなかった。

有閑倶楽部の一行がロビーで考え込んでいたとき、ふと、慧にはある男が目に入る。


例の『キモイおっさん』が受付で金を払っていたのだ。

慧は先ほどのことを思い出してゾクゾクっと寒気がする。



慧「ねぇ、あいつだよあいつ！草平の客！」


圭人「…あれ？なんか、どこかで見たことない？あの人…」


貴方「言われてみれば…」


裕翔「…あ！政治評論家だよ、雲ノ井(くものい)勇(いさむ)っていう！」


「「そうだ！」」


雄也「うげぇ、あんな男相手に商売かぁ…」



皆、なんだか草平が可哀そうになった。



宏太「ふーん…そうだな。念のため、草平くんのことを聞いてくるよ」



そう言って宏太は雲ノ井に近づいていった。




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宏太が聞き出した内容によるとこうだった。

草平という侑李そっくりの男の子は美少年会員クラブ“蘭丸(らんまる)”に勤めている。
ジュネスにも載っているわけなので正真正銘のゲイ。
しかし、客である雲ノ井に本名や住所はわからない。



涼介「その蘭丸って店、表向きはクラブだけど裏では売春やってるってことか」


宏太「そ。気に入ったら"出張サービス"の名目で買えるらしい。草平は結構人気だったみたいだよ？」


慧「そーゆう趣味を責めるつもりはないけど…あんなおっさん相手なんて考えたくないよ〜…」


貴方「はいはい、女好きの慧には一生関係のないことね」


大貴「でもさ、よくそんなこと聞き出せたよね…普通内緒にしない？」


宏太「名前も妻子もある男だからね、美少年を買ってるだなんて絶対公表されたくないだろ。で、ちょっと脅かしたらペラペラしゃべってくれたよ」


「「うわぁ…」」


宏太「人に言えない秘密がある人は大変だね」



宏太はそう言ってにっこり笑うのだった。

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