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「おら!とっとと入んな!」
再び監 禁室の扉があいたと思うと、放り込まれたのは草平とその恋人。
「ネガの方は駅のロッカーに入れてるそうで。駅が開き次第回収してきます」
「ごくろーだったな、よくやったぞ」
「組長」は草平と秀明を連れてきた組員の肩を叩いて上機嫌だ。
「っ…ネガを返したんだからもういいだろ…!若関さんのことは絶対誰にも言わないから…!」
侑李と同じように後ろ手を縛られた草平が若関を見上げて懇願する。
しかし、若関は草平の顔に唾を吐いた。
「人をゆすった奴を信用すると思うのか草平。主人に噛みついたペットがどうなるか教えてやらなきゃな」
「ははは、若関さんもこれに懲りて遊びは控えるんですな、頼みますよ都知事さん」
組長が茶化すように言った。
若関も決まったわけではないのに都知事と囃されて悪い気分ではないらしい。
「いや、気が早いですよ蔵王さん」
「どこの新聞でも当確だと書き立ててるじゃないですか!都知事と親密になれるなんて、私としても花が高いですよ」
その会話を聞いて苛立ちを募らせるのは侑李だ。
侑李「バカみたい。あんたなんかが都知事になったら東京はおしまいだね?」
「ふん、ゲイが都知事じゃあ不満かい?」
侑李「そんなこと言ってるんじゃない!あんたの恋愛対象が男なのは勝手だけど、その性格じゃ人としておしまいだって言ってるんだよ」
強く睨みつける侑李に、若関はふっと笑う。
「残念だなぁ、黄桜の坊ちゃん。僕はとても好みだけどね?財力もその顔も魅力的だな」
正論を言っても全く動じない。
こういう奴ほどヤバいということを侑李は知っていた。
若関は再びにこりと微笑むと、ドアの方へ歩き出した。
「僕はこれで失礼します。明日も早いもので。そいつらは蔵王さんに任せます、僕は何も関係ありませんからね」
強調するように言うと、「組長」もとい蔵王もにこりと笑う。
「頑張ってくださいよ、最後の追い込み」
若関が帰っていくと、蔵王は玉泉秀明を追っていたチンピラたちに帰るように言った。
ネガは他の下っ端に取りに行かせるようだ。
「ところで組長、あの坊ちゃんどうするんですか」
「会長だといってるだろう!…ここまで知られてしまったからには殺すしかないだろ」
そう言って、蔵王組長はそそくさと部屋を出て行った。
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真波(プロフ) - キクヨウさん» ありがとうございます!!もう少しで公開できそうです!頑張ります! (2021年3月21日 22時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
キクヨウ(プロフ) - お待ちしております^^ 身体に気を付けて頑張ってください。 (2021年2月27日 22時) (レス) id: 47351a6e4d (このIDを非表示/違反報告)
真波(プロフ) - ゆさん» すごく嬉しいです!ありがとうございます!!次のお話もなかなか刺激的な内容になる予定なので、ぜひ楽しんでいただきたいです〜! (2021年2月4日 20時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 真波さんはじめまして!!ドラマも漫画も見てない状態なのですが新鮮味があってとても面白くもう一度見直しているくらい拝見させてもらってます(^^)次のお話も楽しみです^ ^ (2021年1月30日 23時) (レス) id: 09f22cd81d (このIDを非表示/違反報告)
真波(プロフ) - キクヨウさん» ありがとうございます!楽しんでいただけて光栄ですー!私も有閑倶楽部大好きです!続きも近々更新しますね! (2020年12月7日 17時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真波 | 作成日時:2020年11月15日 13時