14-8、恋人はいずこ ページ16
所変わって夜の歌舞伎町。
「おやすみなさいヒデ君」
「おやすみ、今日は僕の夢見てよね」
甘い言葉をささやかれた派手な女性は、『ヒデ君』に軽く手を振って車を発進させた。
その車が見えなくなると、『ヒデ君』と呼ばれた背格好の高い男はにこやかに微笑んでいた顔から冷めた目つきに。
ため息をついてネクタイを緩める姿は様になっているが、かなり疲れているような顔だ。
それを少し離れた車の中から見ているのは、草平を見張り、侑李をさらった男たち。
「…あいつか草平の恋人って。すげぇよな、女で金儲けて、その金で男と遊ぶってよぉ」
「世の中そんなに乱れていいんすかねぇ兄貴ぃ」
そう言いつつ、少しずつ車を『ヒデ君』に近づけていく。
側まで来ると車から降り、声をかけた。
「スンマセン、ちょっと火ぃ貸してもらえませんか？」
「？えぇ、どうぞ」
見た目がチンピラな彼らにも動じることなく、サッとライターを差し出す彼はその所作もかなりのイケメンだ。
しかし次の瞬間、男たちに両脇から押さえ込まれる。
「なっ…」
「なぁ兄ちゃん、ついでに顔も貸してもらおうか」
そのままチンピラの男たちは、『ヒデ君』を車の中に引きずり込んだ。
・
・
その頃草平は、『ヒデ君』もとい
「遅いなぁ…」
カーテンを少しだけ開いて外を伺ってはため息をつく。恋人の車は一向に帰ってこない。
「選挙のためなら奴は一億くらい簡単に出すって、秀明言ってたけど…。やっぱり、あんなことしなきゃよかった…。このままじゃ店にも出れないし…どうしよう…」
草平はため息をつき、今日あったことを振り返る。
「…そういえば、あのホテルで会った僕にそっくりな子…あれ、いったい誰なんだろう…。双子の兄弟がいるなんて聞いたことないし…あの子、あの後どうなったんだろ…」
同じ場所に居合わせたばかりに追われてしまった瓜二つの少年が無事であることを願い、また窓の外へ視線を移した。
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真波(プロフ) - キクヨウさん» ありがとうございます！！もう少しで公開できそうです！頑張ります！ (2021年3月21日 22時) (
レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
キクヨウ(プロフ) - お待ちしております^^ 身体に気を付けて頑張ってください。 (2021年2月27日 22時) (レス) id: 47351a6e4d (このIDを非表示/違反報告)
真波(プロフ) - ゆさん» すごく嬉しいです！ありがとうございます！！次のお話もなかなか刺激的な内容になる予定なので、ぜひ楽しんでいただきたいです〜！ (2021年2月4日 20時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 真波さんはじめまして！！ドラマも漫画も見てない状態なのですが新鮮味があってとても面白くもう一度見直しているくらい拝見させてもらってます(^^)次のお話も楽しみです^ ^ (2021年1月30日 23時) (レス) id: 09f22cd81d (このIDを非表示/違反報告)
真波(プロフ) - キクヨウさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて光栄ですー！私も有閑倶楽部大好きです！続きも近々更新しますね！ (2020年12月7日 17時) (レス) id: e9f8dcc71e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真波 | 作成日時：2020年11月15日 13時
