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雄也「証拠品だからな」
裕翔「裏を返せば、これを使って犯人をおびき出せる」
貴方「そうね、良い案だわ」
メンバーはそう言って何か企んでいる顔で慧を見つめた。慧は嫌な予感がする。
慧「な、なにさせる気だよ…、まさか…」
侑李「マルガリータの代わりになれるのは慧だけだよ」
その言葉に、これからやらされることの予想がつき、慧は必死に首を横に振る。
慧「警察に届け出れば良いじゃん!殺人事件なんだよ!?」
大貴「まぁまぁそんなこと言わずに」
慧「いやだ!そんな怖いことしたくないっ!やだってば!!」
喚く慧を無視して、メンバーはその作戦を実行しようとノリノリだ。
結局…
「慧ちゃん助かったわ!このお礼は必ずするから、頑張ってね!」
神鷹に頼まれて一度は断ったショーへの出演を決めた。
というのも有閑倶楽部が思いついたのは、慧にマルガリータの代わりをさせて犯人をおびき出す作戦なのだ。
本当に嬉しそうに、安堵した顔でお礼を言う神鷹を見て、慧は表向きは愛想よく笑ったが、
慧「(犯人、硝センセーかも…)」
そう疑っていた。
その後話しかけられた此花チーフを見ても、メイクさんやショーに関わるスタッフを見ても「こいつが犯人か…?こいつかも…」と疑わずにはいられない。
マルガリータを殺し、空き巣までしてダイヤのイヤリングを取り返そうとしている犯人はこの中に確実にいるのだ。
下手をすると殺されてしまうかもしれないので慧は出たくないのだが、ロングのウィッグに髪飾りをつけられ、女性物の衣装にメイク…と、自分の周りで着々とショーに出る準備が整っていく。
さすがプロの技と言えよう。
メイクが完成すると、元々可愛らしいルックスの慧は本当に女性のようだった。
その出来栄えに、神鷹は一瞬言葉を失った。
「う、わ…思ったとおり!綺麗だわぁ!」
「ステキだわ慧くん!」
騒ぎたてるスタッフの横で、メイクを直してもらっているモデル達がコソコソと話をしている。
「でも…マルガリータかわいそうだったわよねぇ」
「私、あれから怖くって…足元ばっかり見ちゃう」
慧「(冗談じゃない、怖いのはこっちの方だよ…!)」
慧は心の中でぼやきつつ、ステージへ向かった。
今日のショーはマスコミ向けに行われたものだったので一般の客はいなかったが、昨日のこともあってか、会場には多くの記者や報道陣が詰めかけていた。
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作者名:真波 | 作成日時:2017年10月28日 19時