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涼介「お前…!」


「残念ですねぇ、おかげであなた方を帰せなくなりましたよ」



言葉とは裏腹に、ブランビンは笑っていた。



「素晴らしいでしょう、その品々は。苦労して集めたものばかりでねぇ…盗品や密輸品、ちょっと小細工をしていただいたんですよ」


涼介「盗品…?そんなの集めたって言わないだろ!」


貴方「霊だなんて、よくもあんな嘘を…!」


「いやぁ、あれは良いアイデアだった。よく騙されてくれましたよ」



ブランビンはくつくつと笑い、ジャケットの内ポケットを探る。

そして、次の瞬間には2人に拳銃を向けていた。



「脅しじゃないですよ?私はあのタンスのためなら人だって殺せます。…試してみますか?」



本気だとわかり、涼介もAも動けなくなってしまった。

その様子に、ブランビンはまたにこやかに笑う。



「今夜アラブ行の船が出ます。大人しくしていれば一緒に連れて行ってあげますよ」


貴方「…なにを、する気よ…」


「私は女に興味はないが、アラブの金持ちはあなたのような美しい女が好きですからねぇ。それに、君も男に好まれそうな顔じゃないか」



『自分たちの身を売り飛ばす気だ』



涼介とAはそう確信した。















宏太「えっ、涼介とAが?」


「えぇ、具合が悪いとかで、薬を飲ませて寝かせました。
しばらく動かさない方がいいでしょうから、あとで送らせますよ」



そう告げられた一同は顔を見合わせる。



慧「大丈夫かな、」


光「俺、付き添ってようか?」


「あぁそれには及びませんよ、うちの者がいますから。それよりせっかくイギリスに来たんですから、色々観光してみては?日本語ができるガイドを用意しましたから」


侑李「…確かに、一昨日は交霊会、昨日も移動遊園地行ったきりだもんね」


「それでは急がなければ、冬は日が暮れるのか早いですから」


宏太「…それじゃあ、2人のことは任せようか」


裕翔「そうだね」



ブランビンは古美術のこととなると少し熱くなるようだが、基本的には悪い人ではないとみなが感じていた。


2人のことは心配ではあったが、診てくれている人がいるなら安心だろう。
それに、せっかく日本語を話せるガイドまで用意してもらったのなら行かないのも申し訳ない。


その場にいたメンバーは、ブランビンの行為に甘えてイギリス観光をすることにした。

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作者名:真波 | 作成日時:2017年10月28日 19時

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