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「な、なんだとぉ！？」
その言葉に剣菱家は騒然となる。
万作は急いで警察に連絡を入れ、警視総監に剣菱家まで出向いてもらった。
「松竹梅さん、金はいくらでも出すから助けてほしいだ…」
「お願いします！大貴を助けてください！！」
大貴の両親に泣きつかれた警視総監、松竹梅時宗、つまり雄也の父は久しぶりの最前線に燃えていた。
時宗「まかせてください！この鬼の時宗が自ら指揮をとり、
必ずや大貴くんを取り戻してみせましょう！！」
宏太「おじさん！大ちゃんが誘拐されたって本当ですか！？」
剣菱家の豪邸に集まったのは警察だけではない。
有閑倶楽部のメンバーも連絡を受けて駆けつけた。
涼介「大ちゃんを誘拐するって…相当ヤバイ奴なんじゃ…」
圭人「ま、マフィアとか言わないよね…」
宏太「もし剣菱財閥の息子だって分かって誘拐したんなら、そういう可能性もなくはないよ」
有閑倶楽部メンバーのために用意された一室で、みな心配ごとを口にする。
侑李「…だめだ、やっぱり繋がんないよ」
光「雄也の車で山行ったんだろ？ったく、こんな時に…」
連絡のつかない雄也たちにも苛立ちをつのらせつつ、メンバーは事件の進展を待つばかりだった。
時間だけが過ぎてゆき、気が付けば外が明るくなり始めている。大貴が誘拐されてから丸１日が経とうとしていた。
寝ずに心配するメンバーたちは深刻な顔のまま。
と、静かな部屋に、コツンと音が響く。
光「なんだ？」
窓の方からしたその音に、光が様子を見に行くと…
光「っだぁああ！！ネコ！！ネコがっ…」
涼介「ネコぉ？」
裕翔「そういや、大ちゃんネコ飼ってなかった？」
ネコ嫌いな光に代わり圭人が窓の外を覗くと、カリカリと窓枠をひっかく白猫の姿が。
圭人は窓を開けてネコを抱き上げると部屋に入れた。
裕翔「あ、やっぱり！これタマじゃない？」
圭人「何か付けてるよ？」
タマの首輪に挟まっていた物を広げてみると、そこには地図が載っていた。
そして、大貴の字で「誰にも言わずに、有閑倶楽部だけでここに来てくれ」と書かれていた。
裕翔「もしかして、大ちゃんからのSOS信号！？」
宏太「急ぐぞ！あのキャンピングカーならみんな乗れるだろ」
そうして大貴の家に集まっていたメンバーは、有閑倶楽部専用のキャンピングカーに乗って、示された場所へと向かった。
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作者名：真波 | 作成日時：2017年9月21日 20時
