私の隣には1人の王子さまと神様がいます！ (ページ44)

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93話ページ44

「由希くーん！！！」

「あ、A？いいよ。入ってよ。」

Aは由希の部屋の扉をそっと開き、由希の座るベットの横に一緒に並ぶ様に座った。そして、恐る恐る話し出す。

「あっ、えと夾くんからお話聞きました....」

内容を伝えたらどんな顔するのだろう。悲しそうな顔をするのだろうか。でも、由希くんはやっぱり受け止めるのだろうか。

不安と心配と、そして由希を悲しませなくないという沢山の気持ちがAの心に巣くった。

由希は一言

「...そう...」

と、短く返す。Aは遠くを見つめる由希を見ていられず由希の手をとって言った。

「でもっ！私がお守りしますから安心して下さいっ！お母様には由希くんに何もさせません！」

思わず叫ぶ様に言ったAに由希はいつもより少し照れた様に、でも笑顔でAの顔を見つめて言う。

「それ、俺のセリフだよ？とらないでよ。Aらしくて好きだけどね？」

「えっ、あ、そうですか///」

色々恥ずかしくなってくる。でも安心した。由希がいつもの様に笑顔をAに向けている。それが、ただ嬉しかった。

「うん。それに、夾に何言われたか大体分かる。俺、何されるんだろね？」

「ですから！私がお守りすると！」

そう言う由希にAは今度は自信を持って言う。しかし、直ぐに由希によって遮られた。

「駄目だよ...絶対に神童家にAは行かせられない。」

先程とは違う口調と表情だ。真剣に由希は言っている。Aにはそれが分かった。でも、ダメなのだ。だからこそAは由希に言い返す。

「いえ！行かせていただきますっ！」

「危ない、危険、駄目。」

「行きます！」

「駄目!!!!何度言ったら分かるの!?」

「隣にいさせて下さいっ!!!!!!」

必死に絞り出した声は思ったより大きくて、由希を傷つけてしまっただろうか？

そんなことも考えるくらいの強い言い方だった気がする。でも、【駄目】と言った由希も同じくらい強く言葉を発していたと思う。

Aが由希の方へ目線をやると、由希は最初に「ごめん。」と、言って話し出した。