89話 ページ40
あと、100メートルで桜通りである。Aは気持ちを落ち着かせながら由希の顔色を伺った。逆に「A？どしたの？」とか言われたけど。
「もうすぐ桜通りだね。すごく綺麗。」
由希が呟いた。
「私もここまで満開なのは初めてかもです。」
Aが呟いた。
「この門をくぐると桜通りだよ。」
由希がそう言い、Aは由希に足を揃えて桜通りと書いた門をくぐる。
なんだか、別の世界に来たように1面桃色で、春休みだからか桜通りにはA達以外の人は居ないようで、本当に2人だけの世界だった。
桜の花びらがひらひら舞い降りる。
「来年も、一緒に来たいね。A.....」
「ほんとですね///」
そう言ってまた、桜を見上げながら歩く。
思えば桜通りは割と短くて、あっという間に終わりが見えた。Aは由希の服の袖をくいっと引っ張り、小声で言った。
「.....1つお話をいいですか？.....」
「もちろん.....なに？」
そう言って由希はそっとこちらを向く。
Aは手を後ろで組みながら少し目線の高い由希を桜と一緒に見上げる様にして言った。
「ここの桜通りには伝説みたいなのがあるんです。」
「伝説？なに？それ？」
聞いた事ないや。と、言うように少し桜を見上げる由希。Aは思ったとおりの反応に内心安心しながら続けた。
「ここの桜を大切な人と見ると幸せに、永遠にこのままでいられるっていう不思議な伝説があるのです。」
「A.......それって.....」
由希の表情が変わっていくのが分かる。そんな由希でさえ、Aは愛おしく思った。Aは「その通り」と、言うようにまた一歩由希に歩み寄ると、眩しそうな表情で言う。
「私は由希くんと幸せに、時がとまるくらいにこのままでいたかったのです。一緒に生きたかった.....のです.....」
「だから俺じゃないとって.....」
由希も状況を理解し始め、真剣な顔つきになってきた。由希は「その噂があったから俺と？」と聞くようにAに一歩歩み寄る。
Aはその言葉に首を振ると、
「噂がなくてもきっと2人で行きたいと思った人は由希くんだったと思います。誰よりも由希くんが良かったんです。貴方が良かったんです。」
と言い、そのまま言葉を続けた。
「好きです。。。大好きです。世界の誰よりも今、1番に私は貴方が愛おしいのです!!貴方の側に……」
いたいのです……
私はっ…
【全世界の誰よりも由希くんが大好きです】
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：翼 | 作成日時：2019年1月19日 0時
