私の隣には1人の王子さまと神様がいます！ (ページ33)

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82話ページ33

次の日の朝、先に目を覚ましたのは安定にAの方だった。Aは、自分の肩に寄りかかるように眠る由希を横目に見る。

(…寄りかかるのはセーフで鼠にならないんだなぁ…)

「でも、本当に良かった…発作も収まったみたいで。」

そう言うとAは未だに由希に握られている自分の手を見つめて想った。

「あ～私、本当に由希くんのこと好きだなぁ///」

予想以上に強く握られた手に一人で顔を赤くして照れる。今はもうこのまま時が止まれば良いとさえ想うくらいに繋がれた手が愛おしく見えた。

「……由希くん…私には資格なんてやっぱりないよ…でも……」

Aが続きを言いかけた所で由希が目を開ける。そして、由希も先ほどのAの様に繋がれた手を見やって言った。

「…良かった…ちゃんと繋がれたままで。」

心から安心した様子だった。

「えと……ありがとうです……///」

再び握られた手を意識してしまい照れながらAは言う。そんな様子のAを知ってか知らずか由希は静かにAに言った。

「このまま時間が止まれば良いのにね……」

このまま、、、ずっとこのままで居られたらいいのにね、、、

「え…」

思いがけない言葉に一瞬目を丸くする。

「A？どしたの？顔、赤いよ？」

そう言うと由希はAの顔を覗き込んだ。そんな由希にまたAはドキドキしてしまう。

「いえ！私も同じ事をっ！あっ！でも変な意味じゃなくてっ！…そのぉ…////// ほんと…ずるいです…///」

ホントに意地悪ですっ!!

Aが下を向いてしまうと由希は悪びれず言った。

「ははは……ごめんごめん。もう、日も出てきたし、下に降りようか？」

「そうですね///」

Aもそっと顔を上げ、立ち上がる。2人はすでに起きているであろう紫呉やはとりのいる一階へ向かった。