私の隣には1人の王子さまと神様がいます！ (ページ27)

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76話ページ27

一方はとり達の乗った車は紫呉の家に到着していた。紫呉が扉を開けると、奥から夾、神羅、あーや、紅葉、春が走って玄関に向かってくる。

「おい！お前らどこ行ってたんだよ！終業式も休みやがって‼」

夾は自分が嫌々出席した終業式にA達が来なかった事に何よりご立腹のようで、紫呉に叫んだ。

「いやぁ……これにも色々と……」

紫呉も頭が上がらず、ぺこぺこと頭を下げている。すると、扉の奥から由希がはとりによって抱えられているのを見つけた綾女が由希に駆け寄って言う。

「はーさん、ぐれさんっ！？由希は！？僕の弟に何があったんだい!?」

「ホントだ！ゆんちゃん倒れちゃったの！？」

神羅も綾女を追いかけ、由希の側に駆け寄っていった。そんな騒がしくなった周りを鎮めるようにはとりは言う。

「由希は少し、発作を起こした。すぐに寝かせるから。道を開けろ。。。春、布団を準備してくれ。」

「分かった。…由希…大丈夫？」

由希が心配でたまらない春は由希についていきたかったようだが、「春！由希なら大丈夫だよ！」と紅葉に言われ干しっぱなしの布団を紅葉と取りに向かった。はとりの声で周りも道を開ける。夾は先ほどまではとりの隣にいたAに声をかけた。

「……A、クソ由希なら大丈夫だ。」

あんな簡単にへばる奴じゃねえってお前も知ってんだろ？

「うん。そうだよね。……私、夜ご飯の準備してくるよ。紫呉さん、由希くんの分はお粥でいいですか？」

「いーや、多分今日は起きないと思うから、明日の朝にでも作ってやって。気にかけてくれてありがとう。」

「いえいえ。」

紫呉が書斎の方へ向かって行くと、Aは夾に向き直って言う。

「私、嬉しいんだ。…もちろん心配だけど、由希くんが帰って来てくれて、ただいまって言ってくれて、それが嬉しかったの。だから、今はそれでいいかなって」

Aがそういうと、夾は腕を組んで言った。

「そうかよ。。。んで、お前はアイツのこと好きなんだろ？」

「えっ!?///そんなっ！？私はっ///」

夾にそう言われて動揺し、下を向いて少し照れる。

「分かりやす……まぁ、どちらにせよ、早く気持ち伝えた方がいいぞ。クソ由希、そのうち買手がついちまうからな。」

そう言うと、夾はリビングから出ようとし、Aが、

「それは……そうですね……少し考えてみます。…」

と言うと、

「そーしろ、そーしろ。」

そう言ってリビングを、出て行った。