52話 ページ3
A「はい？」
由希「今日だってホントは俺のこと心配してくれてたんでしょ？」
A「えっ…はい…」
図星を突かれた。
由希「そういう心から優しいの、俺大好き。
人間に1番必要なものだと思ってる。その優しさを人に出せるって凄いよ。Aは。」
Aを心から尊敬する由希の目に思わず返す。
A「私なんてそんな大層なモノではっ？！」
由希もすかさず返した。
由希「俺にはきっと無い物だよ。」
A「それは違いますっ！絶対！」
由希「え？」
少し、由希が動揺する。
そんな中、Aは由希を見つめて言った。
A「由希くんは受けとめてくれますっ！私がどんなワガママや、馬鹿なこと言ったって受けとめてくれるじゃないですかっ！だから……由希くんにもありますよ！…羨むくらい。全てを受けとめる心が……」
スッキリした表情でAが言った。
由希「ホントに…優しいんだね…」
由希も表情が柔らかくなり、心と心が繋がった気がした。
そして続け様に由希が言う。
由希「それにその話し方も可愛くて大好き。」
A「こっ…これは！由希くんと話すと緊張感があるんですよっ！」
由希「えっ？俺、怖い？」
謎の返しに2人ともあたふたする。
A「いえ！？そうではないです！それに私、結構気に入っているんです。この話し方！」
由希「なんで？」
由希が聞くと、Aは待っていたかのような最高の笑顔で答える。制服が微かに揺れていた。
A「いつでも私だって分かります。
由希くんに敬語を使って話しかけるのは私だけですから！いつでも由希くんに気付いてもらえますから！」
これを聞いて由希は目を閉じて答えた。
由希「そっか……ならこれからも聞けるといいな。Aの声。」
A「絶対聞かせてみせますよっ！」
自信満々に言った。
由希「よろしくお願いいたします…」
A「はいっ！」
由希「そろそろ帰ろうか。」
A「そうですね。」
暖かな西の太陽が2人を暖かく見守る……
オレンジ色の空の下で2人は少しふざけて家に帰る。
A(由希くんとさよならの日がくるまで見守っていたい……貴方の笑顔を…)
由希(この夕日がまた、俺たちを包んでくれるよう……優しい君が君のままでいてくれたらそれでいいかな……)
それぞれの思いで、いつもとは少し違った帰り道だった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
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作者名：翼 | 作成日時：2019年1月19日 0時
