#5 ページ5
・
今日は珍しく朝練がなし
のくせに、いつも通りに寮を出た私は残念なことに人の少ない教室に向かおうとしていた
「..最悪」
もうこんなことなら賢二郎にアラーム係頼めばよかった、なんて思って思い足取りで玄関につく
下を向いたままローファーを脱いで顔を上げた時だ
「あれ、日下部」
そこにいたのは川西だった
「え、川西？」
「うん、川西」
「お、おはよ..」
遅刻常連な彼がこんな早いのが気がかりで、驚いている私に川西は相変わらずの無表情で
「今日朝練ある時と同じ感覚で来ちゃったんだよな」
と言う
ああかっこいいな
彼の無表情のくせに少しだけ角度が変わる眉とか たまに細める目とか
ほんとうにかっこよかった
「日下部がよかったら、一緒に教室行こう」
話し相手いてくれないとつまんないんだよね、という彼は本当に綺麗で
「私なんかでよければ!!」
と彼の手を握ってしまった
「突然握手する人初めて」
「私も突然握手したの初めて」
そういった私に川西は表情すら変わらないものの なんだか楽しそうに私の手を引いた
「..ッわ！」
「早く行こ」
そう言って玄関を離れた
すぐに手は離されたものの、まだ触られたところは熱を帯びていて
半歩前を歩く彼の背中に抱きつきたくなってしまう
「川西ってさ、すき焼き好きなんだよね？」
「うん、日下部は？」
「ジンギスカンの方が好き..」
「ジンギスカンってどんなのだっけ」
こてん、と首をかしげた彼に少し笑った
「私もあんまり覚えてないよ、すき焼きもジンギスカンも暫く食べてない」
「じゃあ今度食べないとだな」
すき焼きを、と言った彼に私は思わず驚いた
一緒に？一緒に食べようってこと？
..これは賢二郎に報告しなくては..なんて思いながらそうだね、と返す
「え、じゃあ好きな食べ物はなんなの？」
川西は私の方を向かないで階段を登る足を止めずに尋ねた
「んー..」
「しらす？」
「ちりめんじゃこ派、っていうと賢二郎に殴られる」
「だろうな」
「焼き肉好きかな」
「タルトとか言うと思ってた」
川西にそう言われ、あ そういえばよかったと後悔
「タルトのが可愛いよね」
「いや、日下部らしくていいと思うよ」
川西太一は無自覚たらし男
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 515人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
多趣味のM(プロフ) - これって本当に更新するんですか??とても良いので更新してほしいです (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 2c30e4e7ea (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - やばい、、こんなしっくりくる太一なかなかないです最強に素敵カッコイイよ太一ぃいいい！！！！泣 更新待っております！！！ (2017年11月6日 22時) (レス) id: 93e48f97a5 (このIDを非表示/違反報告)
ののち(プロフ) - せな。さんの小説 前から読んでたりしてたんですけどいいですね！！せな。さんの小説が1番好きかもしれません！！ 太一くん 可愛いですねw 夢主ちゃんの惚気を聞かされる白布くんの対応の仕方も面白くて大好きです！これからも頑張ってください。楽しみにしています！！ (2017年2月13日 21時) (レス) id: 3499bc7c5d (このIDを非表示/違反報告)
龍の眼(プロフ) - 太一ぃぃぃ！！ってか評価押したらピッタリ100票！！勿論、一番右の★を押しました！更新ファイトです！！ (2017年2月6日 17時) (レス) id: b3c3bae48a (このIDを非表示/違反報告)
せな。(プロフ) - なしごろうさん» コメントありがとうございます！太一いいですよねぇえええ！笑そんなそんな、ありがとうございます(*´`)見てくださってありがとうございます、頑張りますb (2017年1月19日 16時) (レス) id: 229b3f3c5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せな。
| 作成日時：2017年1月13日 20時
