刹那に恋慕 ~ ｾﾂﾅﾆﾚﾝﾎﾞ~ (ページ4)

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あれから少し呑んで

ほなまた来るわァ、と相変わらずニコニコして帰っていったただよしくん

店「もう閉めようか」

外はそろそろ明るくなってきてて

また、日が沈んだ頃にこの店をオープンさせる

私に太陽の光なんて当たることはなくて

きっと、月の明かりさえ私にはもったいないくらいなんだろうな

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お店の上にあるマンションに住んでいる私は

疲れた体を休めるためにすぐに部屋に戻った

“不在着信1件”

光る画面が知らせてるのはそんな事で

しかもそれが

“錦戸亮”

彼からの着信で

ﾌﾟﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙ

「……」

ﾀﾀﾞｲﾏﾃﾞﾝﾜﾆﾃﾞﾙｺﾄｶﾞﾃﾞｷﾏｾﾝ

耳に入ってくる音はそんな機械音だけ

「ほかの女、かな」

自嘲した

彼に群がる女の子は山ほどいるし

私はその中の1人ってだけで

私にとって彼は特別でも

おそらく彼にとって私は特別じゃない

きっと今も、彼からの電話に出ることが出来た女のコがそばにいられるのだろう

私の代わりなんていくらでもいる

今日は私じゃなかった

ただ、それだけのこと

「…」ﾊｧ

なのに、どうしてこんなに胸が詰まるような思いをするんだろう

「…ちょっと寝よ」

目を閉じればスグに意識を失った

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