刹那に恋慕 ~ ｾﾂﾅﾆﾚﾝﾎﾞ~ (ページ3)

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大「はぁ今日も疲れた～！」

ただよしくんはいつもの席に座ってカクテルを一口飲むと伸びをした

「ふふ、お疲れ様ですっ」

大「やっぱ癒される～！」ｷﾞｭｯ

そう言って抱きついてくるただよしくんはお酒が入ってていつも以上にゴキゲン

「もう～赤ちゃんみたい( 笑 )」

ゆっくりふわふわの髪の毛を撫でると

大「Aちゃんの匂い好き～｣

そのままの体制でそう呟くから

「ふは」

声が響いてきて少しくすぐったかった

大「…」ｸﾝｸﾝ

大「…そういえばこの匂い、今日…」

大「りょうちゃんや！今日りょうちゃんもこの匂いしてた！」

不意に出されたその名前に

「…ｯ」

動揺を隠すことに必死になってしまう私は

きっと、重症

大「昨日お店来てたん？」

朝まで一緒にいたよ、なんて口が裂けても言えないし

「んーん、私と同じ香水使ってる女のコなんて数え切れないほどいるでしょう？」ﾆｺｯ

そう答える私に

大「いや、りょうちゃん、朝から珍しくゴキゲンやったしAちゃんかなぁ、とか思ったり…」

こちらを伺うような表情で覗き込んでくるただよしくん

「私は昨日もここで働いてたしね」

しかもお客さんと店の外で会うなんて滅多にしないよ、

そう付け加えると

大「ま、それもそうか、」

ただよしくんはまだ不服そうながらに口を噤んだ

だけど、私と亮の関係は誰にも秘密

これは2人の暗黙の了解、だったりするんだ

亮は私の中のトクベツで

彼だから許せることもあるし

彼のことだからこそ目をそらしたくなることもある

この気持ちがナニカなんて

ずっと昔から気づいてるつもり、だった

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